浦上四番崩れ

浦上四番崩れ

浦上四番崩れ（うらかみよばんくずれ）とは、長崎市の浦上地域で1867年から1868年にかけて発生した、隠れキリシタンによる大規模な摘発事件です。この出来事は、キリスト教が禁じられていた時代に、多くの信者が信仰を守り続けた際の厳しい弾圧を象徴しています。日本でのキリスト教の歴史において重要な位置を占める事件であり、信徒たちの苦難と、信仰の自由への道程を知る手がかりともなっています。

背景

1864年、長崎においてフランス人居留者のために大浦天主堂が設立され、これにより信仰の再確認が行われました。1865年、浦上村の住民が神父に近づき、ひそかに信仰を共有する「信徒発見」が起こります。これが明るみに出た後、村民たちは神父からの教えを受け、村に戻りますが、信仰が明らかになったことで、次第に幕府の目に留まります。

摘発の経過

1867年、浦上村の信徒が仏式の葬儀を拒否したことから、彼らの存在が発覚しました。村の庄屋が長崎奉行に通報し、信徒たちは捕縛されます。この際、捕縛された信者たちは抵抗することなく手を出し、捕捕人たちも驚愕したと言われています。信徒たちは激しい拷問を受けながらも、信仰を貫き通しました。

外交問題と流配

事件を受けて、フランスやアメリカなど諸外国の公使が日本政府に抗議を起こしました。1868年、明治政府が成立するが、信徒の弾圧は続き、信者たちは流罪とされ、異なる地域に移送されました。彼らは過酷な環境の中で、さらに厳しい拷問や私刑に耐えながら生き延びました。

信仰の解禁と帰郷

1873年、日本政府はついにキリスト教禁制を撤廃し、信徒たちは解放されます。流配の苦難を経て生き残った信者たちは、故郷に帰り、浦上に浦上天主堂を建立しました。彼らは自らの信仰を強化し、復活した信教の下で生活を再建することができました。637名の信徒が流罪の過程で命を落としたという事実は、彼らの信仰の強さと、当時の過酷な弾圧を物語っています。

拷問とその後

浦上天主堂の近くには、拷問を受けた信徒が座らされた「拷問石」が存在します。この石は、信徒が棄教を迫られた際に使用されたもので、過酷な拷問に耐えた信者たちの記憶を留めています。特に、岩永ツルという女性信者は、極限の拷問に耐え抜いたことで有名です。彼女は生き残り、その後も宗教的活動に身を捧げました。

まとめ

浦上四番崩れは、明治政府と西洋諸国との関係においても大きな影響を与えました。キリシタンの弾圧は国際問題となり、結果として日本政府は禁教政策を再考することとなります。この事件は後の信仰自由への道を開く重要な出来事として、今も信徒たちの間で語り継がれています。

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