浦河沖地震

浦河沖地震の概要

1982年3月21日、北海道日高地方で発生した浦河沖地震は、震源が浦河町南西沖20kmの深さ40kmで、マグニチュード7.1（Mw6.9）を記録しました。この地震は、当時の北海道における最も強い揺れの1つとして記憶されています。震度6を観測したのは浦河町であり、札幌市や帯広市、小樽市など広範囲にわたっても揺れが感じられました。

震度分布と影響

震源の近くに位置した浦河町では、震度6に達し、周辺地域においても震度4を観測するなど、北海道全域及び東北地方の北部で強い揺れが感じ取られました。特に札幌市では震度5に相当する揺れが観測されるなど、震源から約100kmも離れた場所で影響を受けた事例がいくつかあります。このような現象は、地震の規模が非常に大きかったために起こったものと考えられます。

地震の震源断層は、走向がN 30°Wで傾斜角は50°SW、長さが20km、幅が30kmであることがわかっています。壁面は逆断層的な性質を持ち、若干の横ずれ成分が含まれています。

被害状況

特に浦河町では建物やインフラに大きな被害が発生しました。ブロック塀や自動販売機は倒れ、電柱や煙突が傾くなどの影響が見られました。また、窓ガラスはほとんどが割れ、周囲に散乱しました。地震観測のための機器設置を行っていた浦河測候所でも、重要な測定機器が破損する事態となり、3台のうち2台が落下し壊れてしまいました。

商業エリアの大通りでは多くの店舗が損壊し、特にモルタルの壁が剥がれるなどの状態が見られました。隣接する静内町でも、静内川に架かっていた橋が倒れる等の影響が発生し、通行不可の事態となりました。

総じて、地震による被害は負傷者167名、全壊13棟、半壊28棟、一部損壊が675棟に達し、また22棟が他の損害を受ける結果となりました。海上でも船舶転覆の事例があり、その数は6隻にのぼります。浦河港や室蘭港のインフラにも影響があり、被害総額は約3.5億円と推定されています。

津波と余震

地震後、津波が観測される場面もありました。浦河港では最大80cm、青森県八戸では28cmの津波が確認されましたが、大きな被害には繋がりませんでした。また、本震から約8時間後には最大の余震となるM5.8の地震が発生し、浦河町では震度4を記録しましたが、こちらも大きな損害は報告されていません。

結論

浦河沖地震は、その影響が広範囲に及んだだけでなく、特に都道府県名や地名が異なる地域においても強い揺れとして認知されました。この地震は北海道内の防災対策や地震予知の重要性を再認識させる出来事としても知られています。

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