浮島 (敷設艇)

浮島：大日本帝国海軍の敷設艇

概観

浮島は、大日本帝国海軍が保有した測天型敷設艇の5番艦です。主に横須賀防備隊に所属し、太平洋戦争においては長浦港を拠点として、船団護衛や機雷、防潜網の敷設任務に携わりました。その活動範囲は広く、アッツ島攻略作戦にも参加しています。

艦歴

浮島は東京石川島造船所で建造され、1939年12月9日に進水、1940年10月31日に竣工しました。竣工後は横須賀鎮守府籍に編入され、主に日本近海での任務に従事しました。

1942年7月10日、浮島は石埼と共に第五艦隊司令長官の指揮下に入り、AO防備部隊に編入されます。両艦は7月14日に大湊を出港し、幌筵を経由して7月24日にキスカ島に到着しました。そこで、対潜作戦や防潜網の敷設に従事しました。8月6日には菊川丸を護衛してキスカ島を出港、浮島は横須賀に帰着、同日、両艦は第五艦隊司令長官の指揮下を離れました。

その後も各地で船団護衛や機雷敷設に従事し続けましたが、1943年11月16日、静岡県初島沖にてアメリカ潜水艦の雷撃を受け、沈没しました。その勇敢な戦いぶりは、多くの関係者に深い印象を残しました。1944年1月31日、除籍処分となりました。

艇長

浮島の艤装員長には、今井守之大尉が1940年9月30日から務めていました。他の乗組員の詳細な記録は現存資料からは確認できませんが、彼らは厳しい戦況の中、任務に忠実に従事した勇敢な水兵であったことは間違いありません。

同型艦

浮島と同型艦には、測天、白神、巨済、成生があります。これらの艦艇も、浮島と同様に様々な任務に就き、日本海軍の戦力として貢献しました。それぞれの艦の艦歴も詳細に調査する価値があります。

結語

浮島は、太平洋戦争において重要な役割を果たした敷設艇でした。その短いながらも波乱に満ちた艦歴は、戦争の激しさと海軍の努力を物語っています。沈没したとはいえ、その貢献は決して忘れられることはありません。本稿が、浮島という一艦艇を通して、当時の海軍の活動の一端を理解する助けとなれば幸いです。今後、さらに詳細な資料の発掘が進み、浮島の活動内容がより明らかになることを期待しています。

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第14巻 小艦艇Ⅱ』光人社、1990年
防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 海軍軍戦備<1> 昭和十六年十一月まで』朝雲新聞社、1969年
* 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書第29巻　北東方面海軍作戦』朝雲新聞社

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