海 その愛

海 その愛について

『海 その愛』（うみ そのあい）は、1976年5月20日にリリースされた同名のアルバムに収められた加山雄三の楽曲です。この曲は、彼の代表作の一つとして広く知られていますが、シングルとしてのリリースはされていません。

作詞と作曲の背景

作詞は岩谷時子が担当し、作曲は加山自身のペンネームである弾厚作によっています。加山は岩谷に対し、非常に感情的でスケールの大きな曲を求めたと言われています。また、ディレクターの新田和長はビートルズの「ヘイ・ジュード」やサイモン＆ガーファンクルの「明日に架ける橋」のような壮大な曲調をイメージし、この楽曲に取り組んだそうです。

アルバムの成功

『海 その愛』が収録されたアルバムは、オリコンチャートで週間5位を獲得し、1976年の年間ランキングにも30位に入るなど、多くの人々に愛されました。このアルバムは加山雄三にとっても新たな転機となるもので、以降のキャリアに深い影響を与えました。

NHK紅白歌合戦でのパフォーマンス

加山はこの曲を数回にわたりNHK紅白歌合戦で披露しており、特にそのパフォーマンスは多くのファンにとって印象深いものです。1978年の第29回、1987年の第38回、2000年の第51回、2022年の第73回と、四度にわたり紅白で歌唱され、その都度新たなファンを獲得しています。

記念モニュメントと地元との関わり

加山雄三のデビュー60周年を祝して、2020年には出身地である神奈川県茅ヶ崎市に特別なモニュメントが設立されました。モニュメントには『海 その愛』の歌詞と若き加山の肖像が描かれており、地域の人々にとって大切な記念の品となっています。このモニュメントは、「雄三通り」と「東海岸会館前交差点」の交差地点に設置され、観光名所としても知られるようになっています。

2021年9月28日から2022年3月11日まで、茅ヶ崎駅の相模線ホームで発車メロディとして流れ、地元の人々に親しまれました。また、2022年9月には茅ヶ崎市の防災無線チャイムが『海 その愛』となり、地域との結びつきを一層強めました。

カバーされる名曲

この楽曲は多くのアーティストにカバーされています。1997年には徳永英明が加山雄三トリビュート・アルバム『60 CANDLES』に収録し、2016年には吉幾三がアルバム『あの頃の青春を詩う vol.3』においても歌い上げています。さらに、2021年には湘南乃風がシングル「湘南乃『海 その愛』」としてリリースし、世代を超えてその魅力が語り継がれています。

まとめ

加山雄三の『海 その愛』は単なる曲以上の存在であり、彼のキャリアを代表する一曲であると同時に、地域との深い絆を感じさせる作品でもあります。リリースから数十年経ってもなお愛され続けるこの名曲は、音楽ファンにとって特別な意味を持つことでしょう。

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