海上自衛隊の掃海船 (編入船)

掃海艇の発展とその役割

本記事では、警備隊が発足した際に海上保安庁航路啓開本部から引き継いだ掃海艇の概要とその歴史的背景について解説します。特に、太平洋戦争中の掃海艇の発展や、その技術的特性、運用の変遷に注目します。

日本の掃海艇の起源

大日本帝国海軍は、磁気機雷に対抗するために、二式掃海具を開発しました。この掃海具は通電式で、主に対艇式の運用がされました。また、開戦初期には、シンガポールなどで鹵獲したイギリス海軍の機材を参考にして、磁桿式の三式掃海具も開発され、磁気掃海が行われていました。これらの機雷対策は、当初はある程度成功を収めたものの、1944年2月からはアメリカ海軍が新型の誘導磁気機雷Mk25を投入したため、従来の対策では通用しなくなりました。

新たな掃海具の開発

この状況を受けて、1944年12月には新たに通電式の五式掃海具（三艇式）が開発されました。一方、これらの磁気機雷に対して従来の鋼鉄製掃海艇では触雷の危険が高く、非常に危険であることが明らかになりました。そのため、1945年春以降、大量に建造されていた木造の駆潜特務艇や哨戒特務艇が掃海任務に使用されることとなりました。

掃海艇の種類と特性

旧駆潜特務艇

太平洋戦争中に建造された駆潜特務艇は、掃海任務に転用するために待機室を設置し、兵装を撤去した上で掃海具を装備しました。主な要目は以下の通りです。

• - 全長：29.2m
• - 全幅：5.65m
• - 深さ：2.751m
• - 喫水：1.97m
• - 基準排水量：130t
• - 満載排水量：139.1t
• - 乗員：24名
• - 機関：海軍中速ディーゼル 400PS 1軸
• - 最大速力：11ノット
• - 武装：5式2型掃海具、水上レーダーなど

旧哨戒特務艇

旧海軍の哨戒特務艇は、駆潜特務艇より大型で、大型の発電機を搭載し、電源艇としても使用されました。また、アメリカ海軍から供与されたSO-8対水上レーダーを装備しています。主要な要目は以下の通りです。

• - 全長：33.0m
• - 全幅：6.14m
• - 深さ：3.25m
• - 喫水：2.35m
• - 基準排水量：238t
• - 満載排水量：250t
• - 乗員：27名
• - 機関：海軍中速ディーゼル 400PS 1軸
• - 最大速力：9ノット
• - 武装：浮上式掃海具、SO-8対水上レーダー

その他の関連船舶

さらに、旧海軍が建造した救難艇や曳船、あるいは民間の商船や機帆船なども掃海の任務に関与しました。特に「桑栄」と呼ばれる船舶は以下のような要目を持つ重要な存在です。

• - 全長：93.0m
• - 全幅：13.8m
• - 基準排水量：2,860t

終戦後の状況

これらの掃海部隊は、終戦後の海軍解体が進む中でも、任務を継続して遂行していきました。組織体制は変わっていきましたが、その使命は今後の海上安全にとって重要な役割を果たしていくこととなります。

掃海艇の歴史は、戦中の技術革新を反映し、また、戦後の海上保安に寄与することとなった意義深いものです。

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