海上阻止行動

海上阻止行動（MIO）

海上阻止行動（Maritime Interdiction Operation、略称MIO）は、海上における立入検査や臨検を通じて国際的な安全を確保するための軍事活動を指します。特に、海上におけるテロリストの海上輸送や武器、麻薬などの監視を目的としています。米国の軍事作戦においては、特にイラク戦争やアフガニスタン戦争の文脈で運用が行われており、それぞれの地域では異なる運用名が与えられています。

ペルシア湾における海上阻止行動

1990年8月、イラクのクウェート侵攻を受けて、ペルシア湾におけるMIOが開始されました。この作戦は国連安全保障理事会の決議に基づき、イラクからの輸出入を厳格に監視するために行われています。最初の目的はイラクの軍事能力を制限することであり、商業船舶の臨検が続いています。現在では、イラクの港を通過する商用船すべてに対して立入検査が実施され、これは多国籍軍によって行われています。

2002年以降、米第5艦隊が主導する多国籍海上阻止行動部隊（MIF）が加わり、MIOの任務は強化されました。この強化により、ペルシア湾における全ての商船に対して臨検を行える能力が付与されました。現状では、イラクにおける商業活動がある程度解禁されているものの、ペルシア湾での監視活動は引き続き強化されています。

インド洋における海上阻止行動

インド洋では、アラビア海を中心にMIOが実施されており、主な目的としては海上での武器や弾薬、麻薬などの密輸を阻止することです。アメリカ中央海軍第5艦隊と連携して、合同海上部隊が展開され、特にテロリストや違法資金の移動を防ぐための努力が行われています。この部隊の指揮は、発足当初から参加国によって持ち回りで行われていましたが、現在ではデンマークに移行しています。

2008年10月の時点で、インド洋におけるOEF-MIOにはアメリカ、イギリス、オランダ、デンマーク、ドイツ、日本、ニュージーランド、パキスタン、フランスの9か国が参加しています。日本は活動には参加していますが、指揮系統には組み込まれていないという特異な立場です。

指揮系統と司令部

OEF-MIOの指揮系統は、バーレーンに位置する合同海上部隊（Combined Maritime Forces, CMF）によって管理されており、米第5艦隊司令官がその役目を果たしています。このように、海上阻止行動は国際的な協力を基盤に、多国籍の部隊が集まって推進されているのが特徴です。

この海上阻止行動は、国際的な安全保障において重要な役割を果たしており、地域の安定を維持するための継続的な努力が求められています。

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