海峡 (映画)

映画『海峡』に関する詳細

『海峡』は、1982年10月16日に公開された日本[[映画]]で、国鉄技師たちの情熱と努力を描いた感動の物語です。監督は森谷司郎が務め、これまでに『日本沈没』や『八甲田山』などの名作を手がけてきた実力者です。この作品は、青函連絡船の洞爺丸事故を背景に、青函トンネルの建設に情熱を注ぐ鉄道員たちを中心にしています。

豪華なキャストと音楽

本作は東宝創立50周年を記念した作品として、高倉健や吉永小百合、森繁久彌、三浦友和といった豪華キャストを揃えました。また、全国から行われた新人オーディションにおいて、中川勝彦と青木峡子が選ばれ、新たな才能が登場しました。主題歌を担当した南こうせつは、この映画で初めて本格的な映画音楽に取り組みました。さらに、本作は文部省特選に選ばれ、多くの人々に親しまれています。

あらすじ

物語の主人公は地質学を修めた国鉄の鉄道員、阿久津剛です。彼は青函トンネル建設のために、地質調査の目的で龍飛を訪れます。そこで、彼は岸壁から身を投げようとしていた女性・多恵を救出します。阿久津は多恵を行きつけの居酒屋の経営者に預け、彼女の再起を助けます。

再び生きる希望を得た多恵は、次第に阿久津に対して淡い思いを抱くようになります。しかし、国鉄の人事異動で阿久津は明石に転勤となり、青函トンネル計画は一時停滞します。そんな中、国鉄総裁が交代し、計画は再び動き出します。阿久津は再び龍飛に戻り、トンネル工事が始まります。

集まったトンネル工事のメンバーには、寒い地域を嫌う老舗のトンネル屋・源助がいました。源助は自らの条件を引き下げ、工事に参加する決断を下しますが、工事は事故や出水などのトラブルに見舞われ、進捗は思わしくありません。月に5メートルしか進まない厳しい状況で、阿久津は源助や他の工事仲間とともに作業を続けます。

その後、調査坑の底に到達した際、国鉄のトンネル計画が正式に認可され、多くの民間企業も工事に参加することになりました。しかし、ねぶた祭りで賑やかになる青森の町に、阿久津の父の危篤の知らせが届きます。帰郷の準備をしていた矢先、突如として大量の出水が発生し、作業区は水に埋まる危機に見舞われます。その中で、阿久津は困難に立ち向かう決断をし、仲間たちと共に新たな挑戦を続けることになります。

スタッフと制作背景

映画制作には、監督の森谷司郎の他に、製作陣として田中友幸や森岡道夫が名を連ねています。脚本には井手俊郎も参加し、実際の工事や社会背景を反映させた内容が特徴です。撮影は木村大作が担当し、映像の美しさも際立っています。

音楽面では南こうせつが映画音楽の新境地を切り開き、観客の心に響くメロディを提供しました。本作は多くの人々を感動させ、映画公開後も半世紀を越えて語り継がれる作品となりました。

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