木村大作

木村 大作（きむら だいさく）

木村大作は1939年7月13日、東京府で生まれた日本を代表する撮影技師であり映画監督です。彼は1958年に東京都立蔵前工業高等学校を卒業後、東宝撮影部にカメラ助手として入社し、日本映画界の巨匠である黒澤明監督のもとで修行を始めました。

生い立ちとキャリアの始まり

木村はカメラマンとしてのキャリアを1973年に開始し、堀越栄三監督の『野獣狩り』でデビューを果たしました。彼は自らを「撮影者」と称し、撮影監督という肩書きをあまり好みませんでした。その理由は、映画制作においては監督が一人だけであるとの認識から来ています。

撮影技師としての技量

彼は撮影助手として、特に黒澤明に大きな影響を受けており、そのピント合わせの技術は一流と称されています。黒澤監督自身も、彼の才能を高く評価し、特に『用心棒』での犬のシーンの美しさを称賛しました。木村はカメラの技術を駆使し、シーンの中のピントを微細に調整することができ、その熟練の技が数々の映画作品で活かされました。

代表作と監督業

木村は、『野獣狩り』以降も数多くの名作に関与し、名監督たちとのコラボレーションを重ねました。特に森谷司郎や岡本喜八監督との仕事は彼のキャリアに大きな影響を与えました。彼は後に独自の監督スタイルを確立し、2009年には初めての監督作品『劒岳 点の記』を公開。撮影と脚本も手掛け、その手腕が改めて評価されました。

テレビ出演と独特のキャラクター

木村は映画だけでなく、テレビにも顔を出しました。『平成日本のよふけ』や『笑う犬の冒険』などのバラエティ番組で、独特のキャラクターを発揮しました。特に彼の毒舌ぶりは話題を呼び、審査員を務めた『新春かくし芸大会』では鋭い批評で視聴者の印象に残りました。ただし、その毒舌が不評を買い、地上波テレビのレギュラー出演からは遠ざかってしまいました。

賞と成果

長年の努力が実を結び、木村は数多くの賞を受賞しています。日本アカデミー賞では優秀技術賞や最優秀撮影賞を含む多くの栄誉を着実に手に入れました。また、2003年には紫綬褒章を受け、2010年には旭日小綬章を受与しています。2020年には文化功労者の称号も与えられ、その功績が広く認められました。

まとめ

木村大作は日本の映画界において、その技術と独自の視点で多くの影響を与え続けている偉大な人物です。多くの作品を手掛け、監督としても成功を収めた彼の存在は、映画産業における重要な資産といえるでしょう。また、彼のキャリアは、映画の世界での新たな挑戦や道を切り開く姿勢を示しており、世代を超えて多くの映像作家たちに影響を与えています。

もう一度検索