海底大戦争

海底大戦争

『海底大戦争』（かいていだいせんそう）、英語タイトルは『Water Cyborg or Terror Beneath the Sea』は、1966年に公開された日本とアメリカの合作映画です。本作は、千葉真一が主演を務め、佐藤肇が監督を手掛けました。製作は東映とラム・フィルムが担当し、83分の上映時間を持つこの作品は、カラーのスタンダードフォーマットで制作されました。

概要

本作品は、深海における科学の恐ろしさとその影響を描いた冒険活劇です。ストーリーの中心には、深海改造人間を生み出し、「海底王国」を築こうとする狂信的な科学者がいます。日本人記者の安部とアメリカ人女性カメラマンのジェニーは、彼に立ち向かう役割を担います。この映画には、SF、アクション、サスペンスと怪奇ミステリーが盛り込まれており、特撮技術を駆使した水中撮影が最大の魅力とされています。

ストーリー

物語はアメリカ海軍の新型水中ミサイルの実験から始まります。しかし、その実験中にモニターへ現れた謎の人影が、事態を急変させます。取材で場にいた記者の安部とカメラマンのジェニーは、その影に関連する謎を解き明かすため、潜水艦に乗り込み海底に向かいます。そこで出会ったのは、半魚人のような怪物。彼らは捕らえられ、見知らぬ海底基地で目覚めます。

悪の科学者であるムーア博士は、改造人間を兵士として育て、世界征服を企む邪悪な計画を進めていました。彼は安部とジェニーも改造手術の対象として捉え、自我のない怪物に変える手立てを考えていました。安部とジェニーの運命は、この時すでに過酷なものだったのです。彼らは脱出の機会を失い、怪物になる恐怖に苛まれます。

しかし、仲間として捕らえられたハワード教授が、基地のコントロール盤を破壊したことから混乱が始まります。怪物たちが人間に攻撃を開始し、基地内は大混乱に陥り、安部とジェニーも窮地に追い込まれました。運良くハワード教授の助けにより、彼らは怪物になる運命から一時的に救われます。惨劇が続く中、最終的には安部、ジェニー、ハワード教授と悪人ムーア博士だけが生き残ります。

物語は、海軍の潜水艦が基地を発見しミサイルを撃ち込むことで佳境に入ります。博士と対決を果たした彼らは、ついに脱出に成功します。ハワード教授の治療のおかげで、安部とジェニーは人間の姿に戻り、潜水艦は無事帰路につくのです。

キャストとスタッフ

この映画には千葉真一が安部役として出演しています。監督は佐藤肇が務め、映像制作においては特撮や水中撮影の専門家が協力し、迫力あるシーンを作り上げています。また、映画の特撮デザインを担当した成田亨は、当時の契約上「武庫透」という名義での参加となりました。

公開と後の展開

『海底大戦争』は、1966年7月1日に日本で公開され、1986年にはVHSが、2004年にはDVDがリリースされました。映像には原版の問題から一部黒味の部分があり、放送やVOD配信でもこの点は保持されています。

この映画は、深海の恐怖と科学の限界を探求する一大冒険として、多くの視聴者の心を掴みました。特撮映画としての技術革新が見られ、今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。

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