海援隊 (プロレス)

海援隊：プロレス界に刻まれた悪の伝説

日本のプロレス史において、独特の存在感を放ち続けたヒールユニット「海援隊」。その歴史は、みちのくプロレスで幕を開けました。鮮やかな青をイメージカラーに、観客を魅了し、そして時に激怒させた彼らの軌跡をたどってみましょう。

平成海援隊：みちのくプロレスでの抗争

1994年、SATO、テリー・ボーイ、獅龍の3名によって「平成海援隊」が結成されました。結成と同時に、ザ・グレート・サスケ率いる正規軍やスペル・デルフィン率いる「デルフィン軍団」との激しい抗争に突入します。激しい試合の数々は、みちのくプロレスの歴史に大きなインパクトを与えました。しかし、1995年にはメンバー全員が怪我に見舞われ、ユニットは活動を停止せざるを得なくなります。

海援隊☆DX：新生ユニットの誕生とWWF進出

メンバーの怪我からの復帰を受け、1996年、ユニットは「海援隊☆DX」として活動を再開します。TAKAみちのくと船木勝一が加入し、さらにパワーアップした海援隊☆DXは、サスケやデルフィンら正規軍との抗争を継続。激しい攻防を繰り広げ、みちのくプロレスの盛り上げに大きく貢献しました。1997年には中島半蔵とスーパー・ボーイが加入。しかし、メンバーのWWF移籍が相次ぎ、ユニットは大きな転換期を迎えることになります。

カイエンタイ：WWFでの活躍と苦悩

1998年、東郷、テイオー、船木がWWFと契約。マネージャーにヤマグチ・サンを迎え、「カイエンタイ」として活動を再開します。WWFでのカイエンタイは、ベビーフェイスだったTAKAとの対立、そしてヒューマン・オディティーズとの抗争など、数々のドラマを生み出しました。特に、『サマースラム1998』でのオディティーズとのハンディキャップマッチは、彼らのWWFでの活躍を象徴する出来事となりました。しかし、WWFのシナリオライターとの関係悪化により、1999年には東郷、テイオー、ヤマグチ・サンが帰国。TAKAとフナキを中心に活動を続けましたが、独特のギミック（口パクと英語吹き替え）も加わり、その活動はミッドカード戦線での活動が中心となりました。2000年にはTAKAがプエルトリコにプロレス学校「KAIENTAI DOJO」を設立。TAKAの負傷とWWF退団を経て、2002年にカイエンタイは解散。その名称は、日本で旗揚げされたKAIENTAI-DOJOに受け継がれることとなりました。

海援隊☆DX：一夜限りの復活と最後の戦い

2006年、インディーサミット後楽園ホール大会で、海援隊☆DXは一夜限りの復活を遂げます。しかし、2010年、東郷の引退発表に伴い、「海援隊☆DXファイナルカウントダウン」と題した数試合が開催されました。このシリーズは、長年に渡りプロレス界で活躍したメンバーたちの集大成であり、多くのファンに感動と惜別の思いを与えました。2011年6月に行われた最終試合をもって、海援隊☆DXはついにその歴史に幕を閉じました。

海援隊のメンバー

海援隊シリーズを通して、多くのレスラーが所属していました。その中には、日本のプロレス界を代表する名選手も多く含まれており、彼らの実力と個性が、海援隊というユニットを支え、輝かせました。それぞれのレスラーのキャリアや活躍も、海援隊の歴史を語る上で欠かせない要素です。

決め台詞：We are EVIL. Indeed.

WWF時代のカイエンタイでは、TAKAみちのくの「We are EVIL（俺たちは外道だ）」という決め台詞と、フナキの「Indeed（左様）」という返答が定番となり、彼らのキャラクターを象徴する言葉となりました。

海援隊は、その激しい抗争、メンバーの入れ替え、WWF進出、そして感動的な再結成と、数々のドラマを経験したユニットでした。彼らの活躍は、日本のプロレス史に永遠に刻まれることでしょう。彼らが残した功績と記憶は、多くのプロレスファンによって語り継がれていくことでしょう。

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