海老原清治

海老原清治：不屈の精神で道を切り開いたプロゴルファー

海老原清治（えびはら せいじ）は、1949年4月2日、千葉県我孫子市で生まれました。実家は鮮魚店を営んでおり、幼少期は我孫子ゴルフ倶楽部のすぐそばで育ちました。隣にはプロゴルファーの林由郎の自宅があり、その息子である林由一と遊ぶ中で自然とゴルフを覚えました。

7歳の頃には、林由郎からゴルフを教わる機会を得て、インターロッキンググリップを教わります。現在もこのグリップでプレーを続けており、彼のゴルフ人生の原点とも言える出来事でした。中学3年生の時、父親が病に倒れたことで、進学を諦め、家計を支えるために働くことを余儀なくされました。当初は家業を継ぐことに抵抗があり、畳屋への就職も考えていましたが、ゴルフ場でのキャディのアルバイトを通じて、ゴルフの道に進むことを決意します。

キャディのアルバイト中に、林由一からゴルフを本格的に始めるきっかけとなるクラブを与えられ、ゴルフの魅力に引き込まれていきます。最初はスライスしか打てなかったものの、由一のアドバイスによって、球を捉える感覚を掴み、熱心に練習に取り組みました。

1970年、20歳でプロテストに合格しましたが、しばらくの間はトーナメントで結果を出すことができませんでした。練習不足や試合に対する熱意の欠如から、シード権争いにも絡めず、「31番目の男」と自嘲することもありました。しかし、30歳で双子の娘が誕生したことをきっかけに、猛練習を始め、長年の悩みだったシャンクを克服しました。

1982年には千葉県オープンで初優勝、1984年には韓国の大会で海外初優勝を果たし、その実力を開花させます。1985年には中日クラウンズでツアー初優勝を飾り、賞金ランキングも19位と躍進を遂げました。その後も、青木功らとともに「我孫子一門」の一員として、存在感を発揮しました。

1985年の開幕戦で左手首を脱臼するアクシデントに見舞われましたが、驚異的な回復力で戦線に復帰し、中日クラウンズで劇的な優勝を果たします。最終日には、首位を走る中嶋常幸を逆転し、15年目にして念願のビッグタイトルを手にしました。この優勝は、彼のゴルフ人生において大きなターニングポイントとなりました。

1999年にシニア入りすると、2000年からヨーロピアンシニアツアーに参戦し、2002年には日本人初の賞金王に輝きます。アイルランド・シニアオープン2連覇を含む3勝を挙げ、その実力は海外でも高く評価されました。また、アメリカのシニアツアーにも参戦し、日米欧の3つのツアーで活躍しました。

その後も、日本のシニアツアーで数々の優勝を重ね、2017年から2019年には日本プロゴールドシニアで3連覇を達成。2020年には日本プロゴルフ殿堂入りを果たし、その功績が称えられました。2023年の関東ゴールドシニアでは、74歳にして66ストロークという驚異的な記録を達成し、ゴルフ界に衝撃を与えました。

海老原清治のゴルフは、その不屈の精神と卓越した技術で多くの人々を魅了し続けています。彼のゴルフ人生は、年齢を重ねても成長し続けることができるということを、私たちに教えてくれています。

主な戦績

レギュラーツアー：2勝
シニアツアー：多数
海外ツアー：多数

主な著書

練習場―3カ月速修クリニック
打球コントロール術
賞金王海老原清治のやさしいゴルフ再生術
50歳からのゴルフ革命

その他

我孫子一門の一人。
日本プロゴルフ殿堂入り。
我孫子市名誉市民。

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