海賊都市クロン

『ザ・ウォー・ラフツ・オブ・クロン』（The War Rafts of Kron）は、1984年にTSR社から発売されたダンジョンズ&ドラゴンズ（D&D）の冒険モジュールです。コードX7、製品番号TSR 9079として知られています。ブルース・ネスミスがデザインを手掛け、ラリー・エルモアがカバーアート、ジェフ・バトラーが本文イラストを担当しました。日本では1988年に『海賊都市クロン』というタイトルで翻訳出版されています。

あらすじ

このモジュールは、海上と海中の両方を舞台とした冒険を提供します。プレイヤーキャラクター（PC）たちは、ミンロザッド・ギルド連合から、ある重要な任務を依頼されます。それは、長期間にわたり海上交易路を脅かしている海賊の正体を突き止め、背後にある陰謀を暴くことです。さらに、アーレンディの王女が海賊に誘拐されるという事件が発生し、事態はより深刻化します。

PCたちは、おとりとなって外洋に出航し、海賊の襲撃を待ち受けます。ストームジャイアントの助けを借りながら、海賊たちの拠点である海上都市クロンや、トリトンが住む沈没都市コルハドールへと向かいます。そこには、古代の邪悪な存在が潜んでいるのです。

モジュールには、水中での戦闘や遭遇に関する詳細なルールが記載されており、プレイヤーは、未知の生物が棲息する危険な海中を探索することになります。冒険を完了したPCには、熱帯の小島が報酬として与えられますが、過去に多くの者がこの冒険に挑み、失敗していることが告げられます。

特徴

水中冒険: 水中での出来事や遭遇に関するルールが詳細に解説されており、D&Dの世界に新たな冒険の舞台が加わります。
魅力的な舞台: 海上に建設された都市クロンと、古代の悪が潜む沈没都市コルハドールという、個性的なロケーションが登場します。
* 深みのある物語: 海賊の陰謀、王女の誘拐、そして古代の邪悪な存在との対峙など、複雑に絡み合った物語がプレイヤーを魅了します。

評価

ホワイトドワーフ誌70号で、グラハム・ステープルハーストはこのモジュールを10段階評価で8と評価し、水中を舞台にすることで「ありきたりな冒険から脱却している」と指摘しました。彼は、デザイナーの創造性と空想力が活かされており、数セッションにわたって楽しめる、ユニークで刺激的なプレイ状況を提供していると評価しました。また、背景設定が良く練られており、キャラクターが自由に動き、問題を解決できる点も評価されています。全体として、D&Dグループにとって価値のある投資であると結論付けています。

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