海軍兵学校 (フランス)

海軍兵学校

フランス・ブレストに設立されている海軍兵学校（École navale）は、海軍士官や参謀の教育を行うグランゼコール（高等教育機関）です。海軍兵学校は、水上艦や潜水艦、航空隊士官、さらにはコマンドー士官を教育する施設として知られています。ブレスト海軍兵学校とも呼ばれ、長い歴史を有する重要な教育機関です。

歴史的背景

海軍兵学校の起源は17世紀にさかのぼります。当時、フランスはアンシャン・レジームの下で、経験と実践を重視した海軍士官の育成を行っていました。特にポナン艦隊に従軍する士官たちには、聖ヨハネ騎士団で訓練された若い貴族が多く見られました。1773年には、ルイ15世によって「ル・アーブル王立海軍兵学校」が設立され、士官養成が体系化されましたが、わずか2年後の1775年にルイ16世によって閉校されました。

それ以後、1810年までの間に、様々な海軍に関する教育機関が登場しましたが、ブレストでは1816年にコレージュ・ロイヤル・ド・ラ・マリーンが設立されました。この機関は、1830年の王政復古の終焉まで続きました。1827年、シャルル10世政府の決定により、訓練船オリオン号の上に海軍兵学校が再設立され、1830年には正式に海軍兵学校と呼ばれるようになりました。この学校は1914年まで船上に存在し、その後はブレスト港の南側、ランヴェオックのプールミック入り江に移転しました。

キャリアの一環として、海軍兵学校の学生は「ボルダ」と呼ばれる実習船で訓練を受けており、彼らは「ボルダシュ」という愛称で親しまれています。この愛称は、1840年から1913年の間に運航されていた3隻のボルダ船に由来しています。

現在の役割と位置づけ

2017年には、海軍兵学校が国防省の監督下にある公的機関として、科学的、文化的、専門的な性質を持つことが公式に確認されました。海軍兵学校は、今でも士官教育の核となる重要な役割を果たしており、フランス海軍の将来を担うエリート士官の育成を行っています。

著名な関係者

海軍兵学校からは、数多くの著名な人物が輩出されています。日本の皇族、東伏見宮依仁親王や、探検家のピエール・ブラザ、海洋学者ジャック＝イヴ・クストー、政治家で海軍大将のフランソワ・ダルランなどが挙げられます。また、著名な作家アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリや、画家エドゥアール・マネもこの学校の試験に挑戦しましたが、達成はかなわず、各々の道を歩みました。

海軍兵学校は、フランスの海軍教育制度の中心地としてだけでなく、世界中で影響力を持つ人材を育成する機関としても、その重要性が増しています。

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