海軍総司令部 (ドイツ)

海軍総司令部（Oberkommando der Marine, OKM）

ドイツ国防軍海軍の最高指揮機関であった海軍総司令部（Oberkommando der Marine, OKM）は、海軍の作戦、組織、および兵站を統括する重要な役割を担っていました。

組織構造

海軍総司令部（OKM）は、以下の主要な部門で構成されていました。

海戦司令部（Seekriegsleitung, SKL）: 海軍の作戦計画と指揮を担当する参謀本部。
兵器局（Marinewaffenamt）: 海軍の兵器、装備、および技術開発を担当。
艦隊司令部（Flottenkommando）: 各艦隊の指揮と管理を担当。
各方面司令部（Marinegruppenkommandos）: 各海域における海軍作戦を指揮。

これらの部門が連携し、海軍全体の戦略と戦術を遂行していました。

海軍総司令官（Oberbefehlshaber der Kriegsmarine）

海軍総司令官は、海軍全体の最高責任者であり、以下の人物が歴任しました。

エーリッヒ・レーダー海軍元帥（1935年6月1日 - 1943年1月30日）

第一次世界大戦からの海軍再建と、第二次世界大戦初期の海軍作戦を指揮しました。

カール・デーニッツ海軍元帥（1943年1月30日 - 1945年4月30日）

潜水艦戦術を重視し、大西洋における通商破壊戦を指揮。戦争末期には総統に任命されました。

ハンス＝ゲオルク・フォン・フリーデブルク海軍大将（1945年5月1日 - 1945年5月23日）

デーニッツの後任として短期間務めました。

ヴァルター・ヴァルツェハ海軍大将（1945年5月23日 - 1945年7月22日）

終戦後の海軍を率いました。

海軍総司令部参謀長（Chefs des Stabes）

参謀長は、海軍総司令官を補佐し、作戦計画や人事などを担当しました。歴代の参謀長は以下の通りです。

ヘルマン・デンシュ海軍少将（1936年1月 - 1936年9月）

初期の海軍参謀長として、組織の基礎を築きました。

ヘルマン・モーツ海軍大佐/海軍少将（1936年10月 - 1939年1月）

第二次世界大戦直前の時期に参謀長を務めました。

エーリッヒ・シュルテ・メンティング海軍少将（1939年1月 - 1944年2月）

開戦から中期にかけて参謀長を務め、作戦計画に深く関わりました。

ハンス・フォン・ダヴィトソン海軍大佐（1944年2月 - 1945年4月）

戦争末期の混乱期に参謀長として活動しました。

* ハインリヒ・ゲルラッハ海軍大佐（1945年5月）

終戦直前に参謀長を務めました。

海軍総司令部の役割

OKMは、ドイツ海軍の発展と、第二次世界大戦中の海軍作戦における中心的な役割を担いました。特に、潜水艦戦術の発展と大西洋における通商破壊作戦は、連合国軍にとって大きな脅威となりました。しかし、最終的には連合国軍の圧倒的な戦力により、ドイツ海軍は敗北を迎え、OKMも解散することとなりました。

海軍総司令部（OKM）は、ドイツ海軍の作戦、組織、および兵站を統括する上で、中心的な役割を果たした機関であり、その歴史は第二次世界大戦における海戦の変遷を物語る上で重要な要素となっています。

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