ハンス＝ゲオルク・フォン・フリーデブルク

ハンス＝ゲオルク・フォン・フリーデブルク（Hans-Georg Friedrich Ludwig Robert von Friedeburg, 1895年7月15日 - 1945年5月23日）は、ドイツの海軍軍人であり、最終階級は海軍上級大将でした。彼は第二次世界大戦中に潜水艦隊司令長官を務めたことで知られ、また、ドイツの降伏文書に海軍代表として署名した人物としても歴史に名を刻んでいます。

生い立ちと初期の軍歴

1895年、フリーデブルクはシュトラスブルクで、海軍軍人の父カール・フォン・フリーデブルクと母エリーザベト・アーデルハイト・アグネス・ヘトヴィクの間に生まれました。1914年4月1日、ドイツ帝国海軍に入隊し、第一次世界大戦では少尉としてユトランド沖海戦に参加しました。1916年7月13日には中尉に昇進し、1918年6月にはUボート乗組員として「U-114」の見張士官を務めました。その後、1918年12月からは軽巡洋艦「レーゲンスブルク」に配属され、1919年10月まで甲板員として勤務しました。大戦中、彼は二級鉄十字章を授与されています。

ヴァイマル共和国軍での活動

戦後、フリーデブルクはヴァイマル共和国軍海軍に残り、1920年5月には軽巡洋艦「ケーニヒスベルク」に配属されました。その後、北海艦隊司令部や軽巡洋艦「ハンブルク」での勤務を経て、1924年6月には第2沿岸警備大隊指揮官に就任しました。同年9月からはミュルヴィク海軍兵学校で魚雷科目の教官を務め、1927年6月まで教鞭をとりました。1932年にはドイツ国首相クルト・フォン・シュライヒャーの参事官、1933年には国防大臣ヴェルナー・フォン・ブロンベルクの海軍副官に任命され、4月1日に少佐に昇進しました。

ドイツ国防軍での活躍

1934年には中佐に昇進し、海軍総司令部付となります。1936年9月30日には軽巡洋艦「カールスルーエ」に配属され、1937年1月1日に艦長に就任しました。スペイン内戦では、フランシスコ・フランコの反乱軍を支援するための海上封鎖に参加しました。その後、海軍総司令部での勤務を経て、1939年1月1日に大佐に昇進し、北海司令部付参謀を務めました。1939年2月6日には潜水艦部隊指揮官に任命され、一時「U27」艦長を務めますが、同年7月8日には潜水艦隊司令長官カール・デーニッツ提督の下で組織部参謀に転じ、9月には組織部長に就任しました。1941年9月12日には潜水艦隊副司令長官に任命され、少将に昇進しました。1943年2月1日には、デーニッツの後任として潜水艦隊司令長官に就任し、9月1日には中将、11月1日には大将に昇進しました。1945年5月1日には、アドルフ・ヒトラーの自殺後、デーニッツが大統領になったことに伴い、2月1日付に遡って海軍総司令官に就任しました。

ドイツ降伏と最期

海軍総司令官としてのフリーデブルクの主な任務は、ドイツの降伏に関する事務処理でした。1945年5月4日、リューネブルクでバーナード・モントゴメリーと会談したフリーデブルクは、無条件降伏を要求されました。デーニッツの許可を得て、彼はイギリスに対してドイツ北西部部隊の分離降伏文書に署名しました。これは、当時のドイツ軍支配地域ほぼ全域を対象としたものであり、事実上の全面降伏を意味していました。5月7日にはランスの連合国遠征軍最高司令部で、アルフレート・ヨードルと共にドイツ国防軍の無条件降伏文書に署名し、翌8日にはベルリン・カールスホルストのソ連軍司令部で、ヴィルヘルム・カイテル、ハンス＝ユルゲン・シュトゥムプフと共に降伏文書に署名しました。

しかし、降伏から間もない5月23日、連合軍がフレンスブルク政府の閣僚とドイツ国防軍司令官に対する逮捕を開始しました。同日、フリーデブルクはイギリス軍から逮捕を宣告され、身支度のため宿舎に戻った際に服毒自殺を遂げました。彼の遺体はフレンスブルク近郊のアーデルビューに埋葬されました。

家族

フリーデブルクの長男、ルートヴィヒ・フォン・フリーデブルク（1924年-2010年）は、第二次大戦中に最年少のUボート艦長となり、戦後は社会学者としてフランクフルト研究所に勤め、ドイツ社会民主党の政治家としても活躍し、1969年から1974年までヘッセン州文化大臣を務めました。次男のフリードリヒ・フォン・フリーデブルク（1926年-1991年）も大戦中はUボート乗組員として従軍し、戦後はジャーナリストとして活動しました。


フリーデブルクの生涯は、ドイツ海軍の激動の時代を象徴するものであり、彼の軍歴、そして降伏文書への署名は、歴史において重要な出来事として記録されています。

もう一度検索