海部郡 (徳島県)

海部郡の概要

海部郡（かいふぐん）は、四国の徳島県にある郡の一つで、1879年にその行政区画が設立されました。現在、郡内には牟岐町（むぎちょう）、美波町（みなみちょう）、海陽町（かいようちょう）の3つの町が存在しており、最新の推計によると、人口は16,378人、面積は525.03km²、人口密度は31.2人/km²です。

郡域の成り立ち

海部郡は設立当初、上記の3町に加えて、那賀郡の一部も含まれていました。この地域は「上灘（かみなだ）」と「下灘（しもなだ）」という江戸時代からの名称によっても知られています。上灘は美波町と牟岐町にまたがる北東部を指し、下灘は海陽町に関連付けられています。

歴史的背景

原始・古代

海部郡の成立は、那賀郡からの分立によるものとされています。「和名抄」には海部郡内に海部郷や和射郷が含まれていたとの記録があり、これがその成り立ちを示唆しています。また、1185年の刻印が残る仏像には「海部郡福井里大谷」との記述があり、郡がこの時代以前に成立した可能性があります。

中世と近世

中世には、宍咋庄、福井庄などいくつかの地域が確立し、明治時代に入ると、全域が阿波徳島藩に属していました。郡内には51の村と11の浦が記録されており、各村の名称は後の町村制施行時に大きな影響を与えました。

行政区画の変遷

明治4年の廃藩置県から海部郡は徳島県に所属。1879年に正式に郡としての区画が成立し、以降、さまざまな村が町村制によって組織化されました。

近代の町制施行

1990年代以降の合併の波の中で、特に2006年の統合で海南町、海部町、宍喰町が合併して海陽町が発足し、由岐町と日和佐町が合併して美波町が新たにできました。これにより、現在の3町体制が整いました。

地域文化と産業

海部郡は自然環境に恵まれ、海と山の美しい景色が広がっています。農業、漁業ともに盛んな地域であり、地元産の食材を活かした料理が多彩です。また、観光地としても知られた場所が点在しており、地域の魅力を発信しています。

まとめ

海部郡は、その歴史、文化、自然の美しさから、地域住民はもちろん、訪問者にも愛されています。変遷を経て形成された町々は、それぞれ独自の特性を持ち、地域の発展に寄与しています。今後もその魅力を再発見し、次世代へと受け継いでいくことが期待されています。

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