海野三次郎

海野三次郎 (1866年 - 1939年)

海野三次郎は、1866年5月1日に駿河国庵原郡で生まれました。彼は幼少期から日置流雪荷派の弓術に親しみ、育まれた弓道への情熱は後の人生においても大きな影響を与えることになります。

軍事と台湾への渡航

1895年、海野は20歳の時に軍人として台湾に派遣され、戦地での経験を積みました。翌1900年には民間人として再度台湾に赴き、日系建設請負業の久米組に入社しました。彼の台湾での活動は、建設業界において徐々に注目を集めるきっかけとなりました。

海野組の設立

1903年、海野は独立して海野組を創業し、同業者の組合でもその幹部としての役割を果たしました。彼は高雄劇場株式会社の監察役や民間消防組の副組長としても活動し、地域社会にも貢献しました。さらには緊急時における消防活動の重要性をも理解していました。

隠居後の活動

1916年、海野は家業を義理の息子である利作に譲り、消防組などの職務からも退きました。隠居後は、大日本弓術協会打狗支部の弓道師範としての役割を担い、全国弓術大会には台湾代表として参加しました。これにより、台湾における弓道の普及にも力を尽くしました。

1918年には大相撲の興行を成功させ、さらに地域の伝統文化を盛り上げる一助ともなりました。彼の活動は台湾での日本文化の発展に寄与したといえるでしょう。

死去とその後

海野三次郎は1939年7月に74歳で病により亡くなりました。彼が設立した海野組はその後も発展を遂げ、当時の高雄で一、二を争う規模の企業となりました。海野の功績は、台湾での建設業界における基盤づくりに大きく寄与したと評価されています。

栄典

海野三次郎はその業績に対して複数の栄典を受けました。1916年1月20日には、木杯一組の褒状が授与され、そして1938年12月13日には台湾総督府からも褒状を受け取っています。これらの栄誉は彼の地域社会への貢献を証明するものです。

関連項目

彼が関与した西子湾隧道は、台湾・高雄市に位置する歩行者トンネルで、海野組がその建設を手がけました。この隧道は今もなお、地域の交通インフラの一部として利用されています。

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