消防学校

消防学校について

消防学校は、消防職員（消防吏員）および消防団員を教育・訓練するための施設です。消防業務に携わる職員の教育訓練を行う機関として、様々な国に設置されていますが、ここでは特に日本の消防における消防学校について解説します。

概要

消防学校には、都道府県が設置する都道府県消防学校と、政令指定都市が設置する政令指定都市消防学校があります。これらの学校は、消防組織法や各自治体の条例に基づいて設置されています。また、総務省消防庁には、消防大学校が設置されています。

東京[[消防庁]]消防学校は、消防組織法上の消防学校ではなく、東京[[消防庁]]の内部機関です。東京都が設置する消防組織法に基づく消防学校は、東京都消防訓練所です。

消防学校は、「学校」と名付けられていますが、学校教育法に定める学校ではなく、消防組織法に基づく研修施設です。消防吏員、消防職員、消防団員に対する研修が主な内容です。入校中の初任学生も地方公務員として給与が支給されます。

消防学校での教育修了後も、現任教育や専科教育など、職務に応じた研修を受けることがあります。一般的に「消防学校」という場合は、都道府県や政令指定都市の消防学校を指すことが多いです。消防内部では「消校」「消学」「学校」などと略称されます。

消防学校には、訓練や体育のための広いグラウンドが確保されており、消防防災ヘリコプターの訓練やドクターヘリのランデブーポイントとしても利用されています。

教育内容

消防学校では、様々な教育課程が用意されています。

初任教育

新任の消防吏員を対象とした教育で、原則として約6ヶ月間の全寮制で行われます。消防吏員としての基礎知識や技術を習得します。初任科生の身分は学生ですが、地方公務員であるため給与や各種手当が支給されます。

初任科では、消防行政や地方公務員に関する座学、体力錬成、消火活動に必要な資器材の取扱訓練、消火活動訓練、心肺蘇生法などを学びます。1日の生活は、起床から消灯まで厳格に管理されており、土日祝日は基本的に自宅へ帰ることが許可されます。

卒業後は、各所属の消防本部に配属され、消防業務や救急業務などに従事します。

現任教育

現役の消防吏員を対象とした専門的な教育です。警防、予防、査察、火災調査、救急、救助などに関する専門知識や技術を習得します。

警防科: 災害現場で消防戦術を指揮できる職員を養成します。
救助科: 様々な災害現場で救助活動を行うための知識と技術を教育訓練します。東京[[消防庁]]には特別救助隊員を養成する特別救助技術研修があります。また、水難救助隊を養成する水難救助技術研修や、特別高度救助部隊を養成する特別高度救助科など、さらに専門的な教育課程もあります。
救急科: 救急隊員になるために必要な知識を学び、救急救命士の資格取得を支援する救急救命士養成所を併設している学校もあります。
予防科: 火災予防に関する専門知識を習得します。
特殊災害科: 特殊な災害に対応するための知識や技術を学びます。
危険物科: 危険物を取り扱うための専門知識を習得します。
火災調査科: 火災の原因を究明するための専門知識を習得します。
予防査察科: 消防法に基づいた査察を行うための専門知識を習得します。

幹部教育

消防組織の幹部を育成するための教育です。

上級幹部科: 消防組織を統括する幹部を育成します。
幹部科: 消防組織の中核となる幹部を育成します。

特別教育

消防団員を対象とした教育も行っています。

消防学校の種類

都道府県消防学校

各都道府県に1校設置されています。都道府県内の消防吏員や職員、消防団員に対し、消防業務に必要な知識や技能を教育訓練します。組織形態や運用は各都道府県によって異なります。

政令指定都市消防学校

各政令指定都市に1校設置されています。政令指定都市内の消防吏員や職員、消防団員を対象とした教育訓練を行います。組織形態や運用は各政令指定都市によって異なります。都道府県消防学校とは異なり、都市消防局に勤務する職員のみを受け入れるのが特徴です。

消防学校の統合

消防力の強化や二重行政の解消のため、都道府県と政令指定都市の消防学校を統合する動きがあります。大阪府と大阪市では、大阪府立消防学校と大阪市消防学校を統合し、大阪府全消防本部の初任科教育を担う学校と、高度専門教育訓練センターを設置しました。京都府と京都市でも、消防学校の統合が進められています。

脚注

注釈：

出典：

外部リンク

* 消防庁

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