救急救命士

救急救命士について

概要

救急救命士とは、病院への搬送中や医療機関に到着後に、重度の傷病者に対して必要な医療行為を行う国家資格を有する専門職です。日本の法律では、救急救命士法のもとで運用され、医師の指示のもと救急救命処置を実施します。

救急救命士は、一般的には「Paramedic」と呼ばれ、患者の生命を守る重要な役割を果たします。救急隊の救急車などには、必ず1名が乗車し、救急医療を提供する体制が整えられています。

救急救命士の定義と役割

救急救命士法第2条によれば、救急救命士は医師の指導のもとで救急救命処置を行う専門職にあたります。この職業に従事するためには、国家資格を取得する必要があります。

救急救命士は現場に赴き、傷病者の診察や観察を行い、治療を実施しながら病院へ搬送します。彼らの仕事は、病院での絶妙な連携を必要とするプレホスピタルケア（病院前救護）の向上に貢献することです。

過去の改正により、救急救命士は救急現場や救急車内だけでなく、医療機関内でも業務を行えるようになりました。この変更は、傷病者が入院または帰宅するまでの間に適切な処置を行うことを可能にしました。

救急救命処置の範囲

救急救命士が行える処置には以下のようなものが含まれます：
1. 自動体外式[[除細動器]]による除細動
2. 静脈路確保のための輸液
3. 気道確保のための手技
4. 必要に応じた薬剤の投与
5. 視覚的評価（聴診器等の使用）

救急救命士法では、これらの行為を行う際に必要な条件を設けており、特定行為として医師の具体的指示が必要な場合もあります。

救急救命士の歴史

日本における救急救命士制度は、1991年に救急救命士法が制定されたことで始まりました。それ以前は、医療行為が行えず、救急搬送時において多くの課題が存在しました。その後の訴えや特集の放送が世論に影響を与え、制度としての確立がなされました。

認定救急救命士制度とメディカルコントロール

最近では、認定救急救命士制度が導入され、特定の救急救命処置はその認定を受けた者によってのみ行えるようになりました。さらに、メディカルコントロール体制のもとで、救急隊員の教育や研修、指導が行われています。これは患者に対する医療の質を保証するために重要な枠組みです。

救急救命士の現状

現在では、全国91%の消防本部が救急救命士を運用しており、年々その数は増加しています。救急救命士の資格を持つ職員は増加傾向にあり、医療現場や民間施設での活用の可能性も広がっています。特に、従来は消防機関に属さない救急救命士の活用方法についても検討が進められています。

結論

救急救命士は、患者の命を救うために重要な役割を担う専門職です。制度の整備が進む中、今後の活躍が期待されています。救急救命士が行う処置は、患者の生存率や治癒率を高めるうえで大きな意義を持ち、医療現場の質の向上にも寄与しています。

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