消防組

消防組（しょうぼうぐみ）

消防組は、戦前の日本において消防活動を行った非常備の消防機関であり、現在の消防団に相当する組織です。

概要

明治維新後、各地の消防組織は、町火消などの江戸時代の組織をそのまま継承していたため、地域によって組織や名称にばらつきがありました。例えば、「消防組」「火消組」「水火防組」など、様々な名称が存在していました。また、運営母体も市町村による「公設」の組織と地域住民の有志による「私設」の組織が混在していました。

このような状況を改善するため、政府は1894年（明治27年）2月10日に「消防組規則」（明治27年勅令第15号）を公布し、全国的な統一を図りました。これにより、従来の市町村条例による義勇消防組の設置は廃止され、知事の管掌となり、組織運営の全国的な統一基準が定められました。そして、消防組が未設置の市町村についても、順次設置が進められました。

1923年2月27日には、消防組規則が改正され、纏（まとい）が廃止されました。

1939年（昭和14年）には、空襲から身を守る防空業務を担っていた防護団を吸収し、消防組は警防団に改編されました。

消防組規則の要旨

消防組規則では、以下の点が定められました。

府県知事の権限明確化: 府県知事（東京府では警視総監）が消防組を設置し、府県警察部（東京府では警視庁）が指揮監督するものとされました。
消防組員の階級: 「組頭」「小頭」「消防手」の三階級制とされました。
消防組費用の市町村負担: 警察が消防組を指揮監督するものとされましたが、費用は従来どおり市町村が負担するものとされました。

組員

消防組員は、町火消以来の伝統や職務の性格上、圧倒的に男性が多かったものの、女性も消防組員になることができました。福井県丹生郡城崎村（現在の越前町）では、1914年（大正3年）には女性だけの消防組が誕生しています。これは、城崎村が漁村であり、遠洋漁業や出稼ぎなどで成人男性がほとんど不在だったためです。

関連項目

日本の消防
火消
警防団
* 消防団

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