消防41号 (特務艇)

消防41号（しょうぼうよんじゅういちごう）

消防41号は海上自衛隊の特務艇であり、同型艇は存在しない。この船は1962年度の計画に基づいて建造され、官民問わず多岐にわたる任務を遂行できる能力を備えています。その主な役割は、飛行艇が行う離着水の際の海面の監視や支援、さらに事故時の消火活動を行うことです。

設計と機能

消防41号は、火災時に迅速に対応できるように、多くの消火設備が整っています。甲板の前後および操舵室の上に4基の放水銃を設置し、油火災用の泡消火装置を2基備えています。これにより、毎分10,000リットルもの放水を行うことが可能です。また、消火活動を終えた後の排水にも対応できるよう、消防ポンプを利用して毎分5,000リットルの排水能力を持っています。さらに、火災の熱から自身を保護するための自艇保護用噴霧装置（プロテクター）を装備しており、自己防衛機能も兼ね備えています。

艇体は鋼製であり、耐候性や強度を確保しています。操舵室や防波板は軽合金製となっており、軽量化も図られています。また、救助した人員には艇内の居住区で応急手当ができるよう、設計がなされています。

推進機関は、三菱重工業製のDL-24MディーゼルエンジンとDH-24Mディーゼルエンジンがそれぞれ2基ずつ搭載された、合計4基のエンジンで、3軸での推進を実現しています。最大速力は19ノットに達し、高速移動能力を備えています。

色彩と視認性

任務の性質上、消防41号の艇体は白色、甲板は黄色、上部構造物は赤色に塗装されており、これにより視認性を高めています。このような配色は、周囲の視覚情報に配慮した設計といえるでしょう。

艦歴

消防41号は1962年度の計画に基づき、東造船において建造され、1964年2月28日に竣工しました。竣工後は、大村航空基地に配備され、その後岩国航空基地へと移動しました。ここでは、PS-1やUS-1といった飛行艇の支援業務に従事しました。

1977年4月18日、消防41号は「消防船1号」（YE-01）という支援船籍に類別変更され、これにより消防艇型特務艇（ASH）の名称は使用されなくなりました。しかし、支援船籍となった後も、消防41号は従来の任務を継続しました。その後、設標救難船（YR）の就役に伴い、2001年3月16日に除籍されました。

まとめ

消防41号は海上自衛隊の特殊な特務艇として、重要な役割を果たしてきました。歴史的な観点から見ても、その設計や機能は消火活動や救助任務に特化しており、海上での安全確保に貢献しました。

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