深尾家

深尾家の歴史

深尾家は宇多源氏佐々木氏の庶流に位置する武家であり、士族や華族としての歴史も持つ家系です。この家は、特に江戸時代において土佐藩主である山内家の筆頭家老家として重要な役割を果たしました。維新後は士族を経て、華族の男爵家に昇格しました。

起源

深尾家は真野氏の末裔で、宇多源氏佐々木氏の庶流であるとされています。家名の由来は、真野定義の子である行信が伊勢国員弁郡の深尾に隠れていたことに由来しています。彼は文明年間に美濃に移住し、土岐氏に仕官しましたが、土岐氏が斎藤道三に滅ぼされると、斎藤氏に仕官を続けました。

行信から6代後、子孫の重良は天正13年（1585年）に近江国長浜城主の山内一豊のもとに仕官しました。慶長5年（1600年）に一豊が土佐に移封されると、重良は土佐藩の主席家老として高岡郡佐川に1万石を領有することとなりました。この時期、重良の後継者として藩主の一門家となった重昌が養子入りしたことで、実質的に藩主一族と同様の地位を持つようになりました。

藩内では多くの分家が存在し、深尾家はその中でも特に重要な地位を占めていました。

明治維新と華族への昇格

明治維新がもたらした大きな変革後、深尾家は最初は士族としての地位を保持していました。明治17年（1884年）、華族制度が再編され、旧万石以上の陪臣が男爵に含まれるという案も存在しましたが、最終的にはその対象外となり、深尾家は士族のままとなりました。

明治15年から16年頃に作成された『三条家文書』には、当主である深尾益岐の財産状況が記録されているものの、詳細な情報は空欄となっています。このように、家計の実態は明らかではありませんでしたが、明治33年（1900年）に行われた男爵叙爵対象の調査では、深尾家は「旧禄高が不明」とされたために候補から外されました。

男爵位の授与

その後、宮内省は深尾家の門地や声望、さらに祖父康臣の勤王の功績を考慮し、明治39年（1906年）に益岐に男爵の位を授けました。益岐の子である隆太郎もこの爵位を継承し、彼は実業家として多くの役職を歴任し、貴族院の男爵議員にも選出されました。

隆太郎の時代には、深尾男爵家は東京市牛込区市谷仲之町に居住していました。彼の活動や経歴もまた、深尾家の名声をさらに高める要素となりました。

深尾家は多くの歴史的背景を持ち、それに支えられながら江戸時代から続く家柄としての名声を誇示してきました。

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