員弁郡

三重県員弁郡の歴史と現状

員弁郡（いなべぐん）は、三重県北部に位置する郡で、現在は東員町のみを含みます。旧字体では「員辨郡」と表記されます。2024年11月1日現在の推計人口は25,657人、面積は22.68平方キロメートル、人口密度は1,131人/平方キロメートルです。

郡域の変遷

1879年（明治12年）に行政区画として発足した当初の郡域は、現在の東員町のほか、いなべ市全域と桑名市の一部（芳ヶ崎、森忠、星川など）を含んでいました。しかし、その後の市町村合併により、郡域は大きく変化しました。

歴史

近世から明治初期にかけて、員弁郡は多くの村々から構成されていました。1868年（慶応4年）の戊辰戦争により桑名藩領が名古屋藩の取締地となり、その後、桑名藩が再興されるなど、支配関係が複雑に変化しました。1871年（明治4年）の廃藩置県により、桑名県や忍県の管轄となり、最終的に三重県に編入されました。

1879年（明治12年）に郡区町村編制法が施行され、行政区画としての員弁郡が発足しました。郡役所は南大社村に設置されました。その後、明治から昭和にかけて、町村の合併や分割が繰り返され、郡の形は大きく変わりました。

町村制以降の変遷

1889年（明治22年）の町村制施行により、員弁郡には22の村が発足しました。これらの村々は、その後の合併や町制施行を経て、現在のいなべ市や東員町の一部を構成するようになりました。

主な変遷を以下に示します。

1929年（昭和4年）：阿下喜村が町制施行し、阿下喜町となる。
1941年（昭和16年）：大泉原村、笠田村、大泉村が合併し、員弁町が発足。
1951年（昭和26年）：七和村が桑名市に編入。
1954年（昭和29年）：梅戸井村が町制施行し、梅戸井町となる。大長村、稲部村、神田村が合併し、東員村が発足。
1955年（昭和30年）：久米村が分割し、一部が桑名市に、残部が東員村に編入。阿下喜町、十社村、山郷村が合併し、北勢町が発足。東藤原村、西藤原村、白瀬村、立田村、中里村が合併し、藤原村が発足。治田村が北勢町に編入。
1956年（昭和31年）：石榑村、丹生川村が合併し、石加村が発足。
1959年（昭和34年）：梅戸井町、三里村が合併し、大安町が発足。
1963年（昭和38年）：大安町、石加村が合併し、改めて大安町が発足。
1967年（昭和42年）：東員村が町制施行し東員町となる。藤原村が町制施行し藤原町となる。
2003年（平成15年）：北勢町、員弁町、大安町、藤原町が合併し、いなべ市が発足。これにより、員弁郡は東員町のみとなりました。

現在の員弁郡

現在の員弁郡は、東員町のみを含む地域となっています。この地域は、豊かな自然に恵まれ、農業や工業が盛んです。歴史的な変遷を経て、現在の形に至っていますが、その歴史は今も地域の文化として息づいています。

参考資料

角川日本地名大辞典編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』24 三重県、角川書店、1983年6月1日。ISBN 4040012402。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

北勢
神郡

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