深尾重忠

深尾 重忠（ふかお しげただ）

深尾重忠は安土桃山時代から江戸時代の初期にかけて活躍した武将であり、土佐藩における重要な家臣の一人として知られています。彼は南宗深尾家の初代でもあります。

生涯

永禄12年（1569年）に深尾重三の子として生まれた重忠は、成長する過程で養父の深尾重良のもとに身を寄せました。重忠は、山内一豊に仕官するチャンスを与えられ、近江国の長浜へと移り住みました。そこで、初めは100石の知行を与えられ、次第に200石へと増えました。

彼の名が広まるきっかけとなったのは、小田原征伐における功績でした。この戦いでの活躍によって、重忠はさらに200石を手にしました。続く関ヶ原の戦いでも重要な役割を果たし、その結果、山内一豊が土佐藩主となった際、重忠は家老として確固たる地位を築くことになります。重良は首席家老として1万石を得るのに対し、重忠は別途2000石割り当てられました。

重忠の人生には辛い経験もありました。藩の命により、彼は妻子と共に江戸で16年間の人質生活を余儀なくされます。その後、土佐藩の2代藩主となった山内忠義を支え、数々の功績を残し、5000石を与えられました。しかし、重良は一豊の弟である康豊の三男・重昌を養子とし、重忠の娘と結婚させ家名を継がせることが決まります。この際、重忠は南宗深尾家を創設し、家老として活動を続けました。

元和8年（1622年）には、忠義の命を受け、野中直継や寺村淡路、乾和三と共に土佐領内の仕置を定める役割を担いました。重忠はその後も藩のために尽力し、万治元年（1658年）に病気で亡くなるまで、武将としての名声を築き続けました。

逸話

深尾重忠には妻の病気平癒を祈願し、その成果として乗台寺に庭園を設けたという逸話があります。この庭園は高知県に指定されている文化財として、現在も佐川町に存在しています。重忠の信仰心や家族への愛情を感じさせるエピソードとして、多くの人々に伝えられています。

系譜

重忠の家族については、父に深尾重三がいます。養父の深尾重良は美濃国山県郡太郎丸城の城主であり、重忠はその娘と結婚しました。子どもには男子の深尾重行があり、孫には重勝、曾孫には重将、玄孫には滋武がいます。また、女子の一人は深尾重昌の正室となり、三女は山内彦作（乾和成）の妻となりました。重忠の義弟である深尾重昌は、重良の養子として家名を継ぎました。

参考文献

• - 『高知県人名事典』高知市民図書館、1970年
• - 『土佐藩家老物語』松岡司著、高知新聞社、2001年

このように深尾重忠は、安土桃山から江戸初期にかけての重要な武将であり、彼の貢献は現在の高知県でも高く評価されています。

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