深沢松美

深沢松美は、1910年（明治43年）3月20日に長野県東筑摩郡波田村で生まれ、1976年（昭和51年）6月21日に生涯を閉じました。彼は昭和期において、地方公務員、そして政治家として重要な役割を担いました。特に、松本市長（公選第4代）としての功績は大きく、その行政手腕は広く知られています。

深沢松美は、地元の松本商業学校を1929年（昭和4年）3月に卒業後、東京片倉生命保険や信濃毎日新聞といった企業でキャリアを積みました。その後、1941年（昭和16年）には波田村の収入役として地方自治の世界に足を踏み入れ、後に助役へと昇進しました。

1951年（昭和26年）からは長野県議会議員として、5回にわたり当選を果たしました。県議会議員としての活動期間中には、中小企業振興審議会長や総合開発審議会委員などの要職を歴任し、地域経済の発展や総合的な開発計画の推進に尽力しました。

1969年（昭和44年）には、松本市長に当選し、二期にわたり市政を担いました。市長在任中は、松塩筑南安広域市町村圏協議会を組織し、広域行政の推進に力を注ぎました。また、松本・諏訪地区が新産業都市に指定されるよう働きかけ、地域経済の活性化に貢献しました。さらに、東筑摩郡本郷村との合併を推進し、松本市の発展に大きく寄与しました。

病のため1976年（昭和51年）3月に市長を退任しましたが、その生涯を通じて地方自治の発展に貢献し、多くの人々に影響を与えました。彼の業績は、地域社会の発展に尽くした地方政治家として、今もなお語り継がれています。

参考文献

『長野県人名鑑』信濃毎日新聞社、1974年。
『日本の歴代市長 第2巻』歴代知事編纂会、1984年。
* 『長野県歴史人物大事典』郷土出版社、1989年。

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