深澤裕

深澤裕のプロフィール

深澤裕（ふかざわ ひろし）は、1971年2月2日に生まれた日本の物理学者で、主に水と氷の物性についての研究を行っています。彼は、北海道大学で博士号を取得し、日本原子力研究開発機構で研究主幹として活躍しています。深澤博士は、「氷および氷内部の水溶液のラマン散乱および中性子散乱」に関する研究成果により、2001年に井上研究奨励賞や中谷宇吉郎科学奨励賞を受賞し、さらに2010年には日本原子力研究開発機構研究開発功績賞を受賞しました。

生い立ちと教育

深澤は北海道帯広市で生まれ、札幌市で成長しました。彼は札幌市立宮の森小学校、札幌市立向陵中学校、北海道札幌西高等学校を経て、1994年に北海道大学工学部応用物理学科を卒業。その後、1996年に北海道大学の大学院工学研究科応用理学専攻修士課程を修了し、1999年には同大学院工学研究科量子物理学工学専攻の博士後期課程を終了しました。彼の学位論文は「氷および氷内部の水溶液のラマン散乱および中性子散乱」という内容であり、彼の研究は北海道大学の前晋爾教授の指導を受けて進められました。

学生時代の研究

学期間中、深澤はラマン分光法や中性子散乱、中性子回折法を駆使して、南極の氷床における氷の構造の解明に取り組みました。この成果により、数万年にわたって固まり続けた氷が通常の氷とは異なる特異な構造を持つことが判明しました。また、彼はクラスレートハイドレートや南極の氷中に存在する火山由来のイオン、不純物を含む人工氷に関連した研究も行いました。

博士号取得以降のキャリア

1999年に北海道大学を卒業後、深澤は茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構で研究員としてキャリアをスタートしました。この場所では、加速器からの中性子線を利用し、氷と水の構造およびその動態を探求しました。その中で、水酸化カリウムを微量に含んでいる氷が特異な構造を示すことを発見しました。

2001年、彼はアメリカに渡りカリフォルニア大学バークレー校で研究員として働き、ローレンス・バークレー国立研究所でも研究を行いました。彼はここで、氷の表面物性に関する研究を著名な科学者ガボール・ソモライの指導の下、進めました。帰国した後の2003年4月には、日本原子力研究開発機構に研究員として参加し、その後、2005年には副主幹、2012年には研究主幹に昇進しました。

現在は、研究用原子炉JRR-3やオークリッジ国立研究所の研究用原子炉HFIRの中性子線を用いて、強誘電性氷に関する研究を進めています。彼の研究は、氷におけるメモリー効果などの新現象を発見し、太陽系内での強誘電性氷の存在と惑星形成に関する理論的な知見を提供しています。

政治活動

深澤は2012年の衆議院議員選挙に日本維新の会から出馬したものの、茨城6区で落選しました。

深澤裕は、物理学の世界で重要な貢献をしている一方、政治活動にも関わりを持つ多才な専門家です。彼の研究は、物理学のみならず、宇宙論や惑星形成の理解にも大きく寄与しています。

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