深見城

深見城（ふかみじょう）

概要

深見城は、神奈川県大和市深見字城ヶ岡に存在した日本の城です。現在の場所は、大和市の北東部、横浜市瀬谷区との境界を成す境川の中流右岸の台地端に位置しています。城郭の規模は南北約100メートル、東西約150メートルで、中世の城郭の特徴を備えています。

発掘調査

1984年から1986年、そして1999年から2000年にかけて行われた発掘調査によって、深見城の具体的な構造が明らかになりました。調査では、堀、土塁、虎口、土橋などの防御施設や、土坑、井戸などの生活に関わる遺構が発見されました。また、輸入された青磁や国産の陶器、銭貨といった遺物も出土しており、当時の文化や生活を知る上で貴重な資料となっています。

これらの発掘調査の結果から、深見城は14世紀末頃から15世紀中頃、そして16世紀代の2つの時期にわたって利用されていた可能性が指摘されています。特に、1452年に築城されたという説も存在します。

城主

城主については、隣接する瀬谷の領主であった山田伊賀守経光とする説が有力です。これは『新編武蔵風土記稿』に記載されています。

現在の状況

現在、深見城の西側は下水処理場として利用されており、城の遺構の一部は下水処理場の下に埋もれています。しかし、南西側は「城山史跡公園」として整備され、市民が歴史に触れられる場所となっています。公園内では、城の遺構の一部を見ることができます。

まとめ

深見城は、中世の地域社会における重要な役割を担っていた城郭の一つです。発掘調査によってその構造や利用時期が明らかになり、中世の歴史を語る上で欠かせない存在となっています。現在では、史跡公園として整備され、その歴史を後世に伝えています。

参考文献

大和市教育委員会『大和市文化財調査報告書第30集　深見城跡』1988年
大和市教育委員会・城山史跡公園内深見城発掘調査団『神奈川県大和市大和深見城跡発掘調査報告書』2001年
宮坂淳一・松葉崇「神奈川の中世城館（４）－中世プロジェクトチーム－」『神奈川の考古学－かながわ考古学財団研究紀要17－』公益財団法人かながわ考古学財団 2012年 pp.59-68
藤木久志「戦国時代の戦を生きる-深見城と村の城」『大和市史研究』第39号 2015年 pp.105-133.

関連項目

* 日本の城一覧

もう一度検索