添馬

添馬（テイマー）とは

添馬（テイマー、Tamar）または添馬艦（テイマーかん）は、香港の金鐘（アドミラリティ）に位置する、香港の行政上の中心地です。香港立法会と香港行政府の本部が置かれており、香港特別行政区政府に対する換喩としても用いられることがあります。香港島の中心部、中環（セントラル）の湾岸に面しており、東には香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターなどの文化施設や展示施設、南には金融、商業、観光の中心地、そして西南には歴史的価値や伝統的な価値が豊富な花園道（ガーデンロード）が広がっています。

かつて、香港で最も高価な空き地であったこの場所は、1平方フィートあたり9000ドル、総額243億ドルの価値がありました。この土地は、政府の新しい本部やオフィス、小売店、湾岸の公共緑地など、多様な計画を呼び込みました。近年では、この地域の立法府や行政府の代名詞として用いられるようになっています。

歴史

「テイマー」という名前は、1897年に香港に到着したイギリスの艦船「テイマー号」に由来します。第二次世界大戦中の1941年に日本軍に占領されるまで、この艦船は香港に留まりました。イギリス海軍の規則により、海軍の指揮下にある艦船に配属された者のみが海軍軍人として扱われるため、「テイマー号」はイギリス海軍守備隊員の名目上の所属船となり、この地域は「ストーンフリゲート」として「テイマー（添馬）」と呼ばれるようになりました。返還前のイギリス守備隊は、実際には敷地の一画にあるプリンス・オブ・ウェールズビル（現在の中国人民解放軍駐香港部隊ビル）に駐屯していました。

過去の利用例

添馬では、過去に多くの大規模な催し物が開催されました。例えば、シルク・ドゥ・ソレイユによる「サルティンバンコ」、毎年の「香港製造展覧会」、「香港国際映画祭」、そして失敗に終わった「港湾祭」などがあります。2005年から2006年には、全域が一時的に遊園地としても利用されました。

コンサート開催地としての批判

添馬は、過去の音楽イベントの記録から、大衆から強い批判を受けることもありました。2003年、香港特別行政区政府はSARS流行による経済危機からの復興を目指し、「港湾祭」と題した大規模なコンサートを企画しましたが、その計画の不備から大きな批判を浴びました。一方、2003年10月25日には、アイルランドのポップグループ、ウエストライフがアルバム「ザ・グレイテスト・ヒッツ アンブレイカブル」のツアーの一環としてコンサートを開催しました。

輸送機関処理センターとしての利用

2005年の世界貿易機関（WTO）第6回閣僚会議では、添馬がNGOによる抗議活動の拠点の一つとして提案されました。しかし、政府はこれを認めず、代わりに会議期間中の輸送機関処理センターとして利用しました。1日あたり1000台を超える車両が会場に出入りし、車両、運転手、乗客は会場に入る前に添馬で安全確認を受ける必要がありました。

現在の利用

政府機関

香港特別行政区政府は、かつて政治山にあった中央官舎や香港特別行政区立法会、行政長官執務室を、新たに建設された香港特別行政区総合庁舎に移転しました。2003年には、SARSによる経済不況のため、添馬プロジェクトの開発が一時中断されました。

4.2ヘクタールの土地のうち、2ヘクタールが52億ドルの開発計画によりレクリエーション用地として確保され、現在は「添馬公園」として利用されています。残りの土地は政府庁舎として利用されており、政府機関の多くが香港特別行政区立法会とともに新しい庁舎に移転しました。議場の座席は、従来の英国式の向き合う形式ではなく、中央に演説者がいる、やや段差のある円形構造を採用しています。

ファー・イースト・フィナンシャル・センター、金鐘、リッポーセンター、ユナイテッドセンター、パシフィック・プレイスのオフィス棟、アイランド・シャングリ・ラ 香港、コンラッドホテルからの眺望を確保するため、政府建物の高さは130メートルから180メートルに制限されました。

当初、展示会場の設置も計画されていましたが、政府はこれを削除しました。しかし、香港貿易発展局に対しては、年2回、合計3年間、大規模な見本市の一時的な会場として土地を賃貸することを約束しました。当初、香港ギフト＆プレミアムフェアと香港エレクトロニクスフェアが、アジア最大の供給源を確保する見本市になる計画の下、年に1回添馬で展示会を開催する予定でしたが、交通インフラへの影響を考慮し、計画は中止されました。

計画の契約は2008年1月28日に締結され、工事は2008年2月中旬に開始、2011年に完了しました。約3000人がこのプロジェクトに従事しました。

2011年8月1日には、商業発展及び経済発展局の職員が新しいオフィスに移転したことを記念する国旗掲揚式典が行われました。

批判

香港企画師学会のような団体は、添馬を政府総合庁舎として利用することに反対しています。彼らは、添馬が文化、金融、観光に関連した特別な場所であるため、政府総合庁舎ではなく、政治、経済、文化、娯楽に関連した目的に利用すべきだと主張しています。

関連項目

修頓遊楽場（シュートンレクリエーショングラウンド）
添馬の下を直接通る中環・湾仔バイパス

外部リンク

* 添馬開発計画

もう一度検索