添馬公園

添馬公園（テイマーこうえん）

添馬公園は、香港の金鐘（アドミラリティ）地区に位置する都市公園です。そのデザインコンセプトは「地常緑」とされ、約17,000平方メートルという広大な敷地を誇ります。この公園は、添馬地区の公共スペースの約80%を占めており、その管理は香港政府の康楽及文化事務署によって行われています。

公園の周囲には、夏慤道（ハークコートロード）、立法会道（レジスレイティブカウンシルロード）、添美道（タムメイアベニュー）、添華道（タムワーアベニュー）、龍和道（ルンウォーロード）といった道路が走り、香港特別行政区政府総部や立法会総合大楼といった重要な建物が隣接しています。これらの施設は、公園の景観を特徴づける重要な要素となっています。

歴史

添馬公園の建設は、2006年に当時の香港行政長官である曽蔭権（ドナルド・ツァン）が発表した施政方針演説に端を発します。この演説で、香港特別行政区政府総部、終審法院大楼、行政長官弁公室を添馬の旧海軍本部跡地に移転する計画が発表され、添馬開発計画が再始動しました。

2007年3月26日、香港政府は新しい政府総部の建設に関する4つのデザイン案を公表しました。その中で「大衆のための添馬（公眾的添馬）」と名付けられた案は、「地表は常に緑で（地常緑）」というコンセプトを掲げ、公共空間の創出を重視していました。このデザイン案は、公共空間を整備することで、湾仔（ワンチャイ）のウォーターフロントプロムナードとの接続を実現するというもので、最終的に政府に採用されました。

この計画に基づき、2008年2月に建設工事が開始され、2011年1月25日に完工式典が執り行われました。政府総部の落成式は、当時の中国副首相であった李克強（リー・クォーチャン）の主催により、同年8月18日に開催され、移転作業が開始されました。一方で、公園が一般公開されたのは、同年10月10日でした。

施設

公園内には、水景施設、木製のステージと約240人収容可能な観客席を備えた屋外劇場があります。また、東華三院が運営する、画廊を兼ねた飲食店「アイベーカリー・ギャラリー・カフェ」も併設されています。公園の芝生にはツルメヒシバが使用され、シュリアンバツ、Michelia chapensis、クスノキ、フイリソシンカ、ガジュマル、香港の国花であるバウヒニアなど、400本以上の様々な樹木が植えられています。

彫刻作品と施設

公園内には、複数の彫刻作品が設置されており、訪れる人々の目を楽しませています。これらの作品は、公園の景観に彩りを加え、文化的な雰囲気を醸し出しています。

建物

香港特別行政区政府総部の庁舎は、東端と西端が公園の南東部と南西部に位置しています。香港特別行政区行政長官のオフィスは公園の北西部に、立法会総合大楼は北東部に位置しています。公園からは、ビクトリア・ハーバーとその向こうに広がる尖沙咀（チムサーチョイ）の高層ビル群を一望できます。この眺望は、公園を訪れる人々にとって大きな魅力の一つとなっています。

参照

[外部リンク]

公共交通機関や自動車でのアクセス情報
ウィキメディア・コモンズの添馬公園関連カテゴリ

これらの情報からも、添馬公園が香港の都市生活において重要な役割を果たしていることがわかります。

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