清掃法

清掃法について

清掃法（せいそうほう）は、日本における廃棄物の管理と公衆衛生の向上を目的とした法律でした。この法律は、1954年（昭和29年）4月22日に制定され、同年7月1日に施行されました。後に1966年（昭和41年）に改正を受けましたが、1971年（昭和46年）には全面改正される形で新しい法律が制定されたため、この清掃法は廃止されました。

法律の背景と目的

清掃法の制定は、当時の日本における急速な経済成長と、それに伴う衛生環境の悪化に対応するものでした。具体的には、汚物の衛生的な処理と、生活環境の清潔を確保することを目指し、前法である汚物掃除法を引き継ぎました。対象となる汚物には、一般的なごみや燃えがら、尿やふん、さらに、犬や猫、ねずみなどの死体が含まれました。

法律は、全26条から成り、当時の関係省庁として大蔵省、厚生省、運輸省、建設省、自治省が名を連ねました。清掃法の制定日である4月22日は、一部では「清掃の日」として知られています。

政令と改正案

施行から約9年後、1963年（昭和38年）には、清掃法の改正案が議員立法として提案されました。しかし、業界からの反対により、この改正案は廃案となりました。このように清掃法は、時代の変化に柔軟に対応できなかった側面があります。

また清掃法施行令（昭和29年6月30日政令第183号）や一部改正のための政令（昭和40年12月1日政令第363号）も存在し、それぞれ法の解釈や運用について重要な役割を果たしました。

産業廃棄物への対応

清掃法では、現在のように多くの種類の産業廃棄物に対する対策が盛り込まれていたわけではありませんでした。「多量の汚物」や「特殊の汚物」については個別に指定された場所に運搬し、処分することを求められるに留まっていました。そのため、急激な経済成長に伴う廃棄物の増加や、公害問題への対応が課題となり、清掃法だけでは不十分だと認識されるようになりました。

結論

清掃法は、基本的な衛生基準を確立した重要な法律でしたが、時代の変化に対応するための再構築が求められました。1971年に新しい廃棄物処理法が施行されたことにより、これまでの清掃法は廃止され、より包括的で効果的な廃棄物処理の枠組みが整えられることとなりました。これにより、今日の環境問題や廃棄物処理に関する取り組みが進化しています。

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