清武英利

清武英利(きよたけ ひでとし)



1950年10月12日生まれの清武英利は、日本のジャーナリストでありノンフィクション作家、そして元プロ野球球団経営者として広く知られています。彼は宮崎県宮崎市出身で、数々の著作活動を展開しながら、特に読売巨人軍における管理職としての貢献が高く評価されています。

経歴



清武は宮崎県立宮崎南高等学校を卒業後、立命館大学経済学部に進学。1975年読売新聞社に入社し、青森支局での勤務から社会部に異動し、警視庁国税庁を担当しました。特に注目すべきは、彼が社会部次長の際に行った第一勧業銀行に関するスクープや、山一證券の破綻に関する取材です。

2001年には中部本社の社会部長に昇進し、2002年には東京本社の編集委員、2004年には山一證券の破綻を受けた編集局運動部長に就任しました。2004年8月からは読売巨人軍の取締役球団代表として、チームの改革に取り組むことになります。

巨人軍での改革



球団代表としての清武は、育成選手制度を導入し、補強に頼るチーム作りからの脱却を図りました。この制度により、入団した選手たちは後にリーグ優勝に貢献するなど、成果を上げました。また、イースタンリーグのチャレンジマッチなど、プロ野球の新しい制度構築にも積極的に関与しました。

彼は週刊ベースボールでコラム「野球は幸せか!」を隔週で連載する一方、NPB選手関係委員会の委員長として球団と選手会との中立的な橋渡し役も務めました。球場に足しげく通い、選手の労をねぎらう姿勢は、選手たちからの信頼を得る一因となりました。

対外的なトラブルと告発



2011年11月、清武は文部科学省で記者会見を開き、当時の読売巨人軍球団会長である渡邉恒雄に対して、重大なコンプライアンス違反を告発しました。これにより球団が混乱したことを理由に、11月18日には清武は一切の役職から解任されました。この事件は、清武のキャリアの転機ともなりました。

著作活動



球団代表退任後はジャーナリストとしての活動を本格化させ、多数の著作を発表しています。彼の著書『しんがり - 山一證券 最後の12人』は第36回講談社ノンフィクション賞を受賞し、また『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』も高評価を得ています。それぞれの作品では、社会問題や経済の内幕を深く掘り下げています。

代表的な著書



1. 『しんがり - 山一證券 最後の12人』講談社、2013年)
- 山一證券の破綻をテーマにしたノンフィクション。
2. 『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』講談社、2017年)
- 警察内部から見た視点を描く。
3. 『切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか』講談社、2015年)
- 大企業の裏側に迫る内容。
4. 『サラリーマン球団社長』文藝春秋、2020年)
- 巨人軍における彼の経験を語る。

清武英利は多岐にわたる活動を通じて、日本のスポーツ界とメディア界に大きな影響を与え続けています。彼の姿勢や言動は、今もなお様々な議論を呼び起こしています。

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