第一勧業銀行

株式会社第一勧業銀行

株式会社第一勧業銀行（だいいちかんぎょうぎんこう、英語: The Dai-Ichi Kangyo Bank, Ltd.）は、日本の都市銀行であり、1971年から2002年にかけて存続しました。この銀行は、2000年から「みずほフィナンシャルグループ」の一部となり、現在の「みずほ銀行」の前身です。取引所には上場しており、第一勧銀グループの中心的な存在でした。主に「第一勧銀」「一勧」「勧銀」として知られ、英語略称は「DKB」です。

銀行の歴史

合併の背景

1971年、国内資金量で第6位の第一銀行と、第8位の日本勧業銀行が合併し、第一勧業銀行が誕生しました。この合併は、都市銀行同士の初の試みであり、その総資産は富士銀行を上回って国内で最も大きな都市銀行となりました。合併には神戸銀行の加入の計画もありましたが、最終的には実現しませんでした。

銀行は双方の強みを活かし、第一銀行では東京圏を中心に重化学工業への融資を行っていたのに対し、勧銀は地方部をターゲットに中小製造業を支援していました。この補完的な関係は合併の意義を高めました。

経営と人物

合併後も存続会社は勧銀でありましたが、金融機関コードは第一銀行のものを使用しました。銀行は「ハートの銀行」として知られ、全国各地に支店を展開しました。旧第一銀行は戦時中に帝国銀行に合併した経験があり、統合の際に独特の注意を払う必要がありました。

しかし、数々の人事問題が両行出身者の間で争いを引き起こし、収益性が他の都市銀行に比べて劣る結果となった例もありました。その一方で、1991年には業務純益で首位に立ったこともあります。

不祥事とその影響

1997年には、総会屋への460億円の利益供与事件が発覚し、頭取や多数の幹部が逮捕される事態となりました。この事件は、金融不信を招き、銀行の評判に大きな影響を与えました。この時期、内部の対立が浮き彫りになり、合併両行の関係がいかに悪化していたかが明らかになりました。

この事件を題材にした高杉良の小説『金融腐蝕列島』や映画『金融腐蝕列島 呪縛』が製作され、銀行の暗い歴史を描く一因となりました。

沿革

銀行の沿革は、1971年の合併以来、さまざまな展開を見せ、2002年にはみずほ銀行に商号変更を行い、富士銀行や日本興業銀行と統合しました。この結果として、ブランド名「みずほ」は日本経済において重要な存在となりました。

合併以前の各銀行の歴史や、みずほ銀行に至るまでの様々な出来事は、金融業界全体にも影響を与えるものといえるでしょう。

広報活動

第一勧業銀行は、1971年の設立時から独自のロゴやマスコットキャラクターを用いて広告活動を行い、地域に根ざしたサービスを強調していました。特に有名なキャラクターには、サンリオのキャラクターがあり、様々な販促物に使用されていました。1990年代になると、イメージキャラクターとして小泉今日子を起用し、銀行のブランディングに大きく貢献しました。

このように、第一勧業銀行は、合併を経て広がる利益提供事件まで多彩な歴史を持ち、日本の都市銀行業界における重要な一端を担っていました。

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