清水博 (アメリカ研究者)

清水博：アメリカ史研究のパイオニア

清水博（1907年9月23日-1993年8月10日）は、20世紀を代表する日本におけるアメリカ史研究者の一人です。東京帝国大学卒業後、第四高等学校講師を経て、1949年に立教大学文学部史学科教授に就任しました。長年にわたる教育活動と研究活動を通して、日本のアメリカ史研究に多大な貢献を果たしました。

教育者としての清水博

立教大学では多くの学生を指導し、その教え子の中には、後にカナダ史研究者として著名になる大原祐子氏も含まれます。熱心な指導と深い知識は、多くの学生に影響を与え、彼らを研究の道へと導きました。清水氏の講義は、質の高い内容と深い洞察に満ちており、学生たちは彼の授業に深い感銘を受けていたと伝えられています。大学における教育活動は、彼の人生における重要な柱の一つでした。教授としての職務に献身的に取り組み、後進の育成に尽力しました。

研究者としての清水博

清水氏の専門はアメリカ史です。数多くの著書や翻訳書を発表し、日本のアメリカ史研究を牽引しました。初期の著作には『太平洋に於ける経済的現勢』（1941年）や『アメリカ及びアメリカ人の研究』（1943年）などがあり、戦後の混乱期においても精力的に研究活動を続けました。戦後には、『アメリカの歴史』（1951年）、『アメリカ合衆国の発展』（1960年）など、分かりやすく、かつ学術的に高いレベルを維持した著書を執筆し、広く読者に親しまれました。これらの著作は、今日でもアメリカ史研究の重要な参考文献として活用されています。

また、清水氏は翻訳活動にも積極的に取り組みました。アメリカの歴史や外交に関する重要な著作を数多く翻訳し、日本におけるアメリカ研究の裾野を広げることに貢献しました。代表的な翻訳書には、ロースロツプ・スツダードの『苦境に立てるアメリカ外交』（1934年）やリチャード・B・モリスの『合衆国の歴史』シリーズなどがあります。これらの翻訳を通して、日本の読者にもアメリカ社会の様々な側面が紹介されました。

アメリカ学会における貢献

清水氏は、1972年から1974年にかけてアメリカ学会会長を務めました。アメリカ学会は、日本におけるアメリカ研究を推進する重要な役割を果たしており、清水氏は会長として学会の活動を積極的にリードし、日本のアメリカ研究の発展に大きく貢献しました。1996年、アメリカ学会は清水氏の功績を称え、「清水博賞」を創設しました。この賞は、アメリカ研究における優れた業績をあげた研究者に贈られる名誉ある賞です。

国際商科大学教授

立教大学退職後も、清水氏は研究活動を続け、1976年には国際商科大学教授に就任しました。国際商科大学では、国際関係や経済史に関する研究・教育に携わりました。

まとめ

清水博氏は、アメリカ史研究者として、教育者として、そしてアメリカ学会の指導者として、多大な業績を残しました。彼の研究は、今日のアメリカ史研究の基礎を築き、彼の教育は多くの後進の研究者を育成しました。清水氏の功績は、今後も日本のアメリカ史研究において高く評価されることでしょう。彼の著作は、現代のアメリカ史研究においても重要な参考文献であり続け、彼の教育は数多くの研究者を育成しました。アメリカ史研究における彼の功績は、永く記憶されるべきでしょう。

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