清水港

清水港の概要

清水港（しみずこう）は、静岡県静岡市清水区にある駿河湾に面した重要な港です。この港は静岡県によって管理されており、国際的な交通や貿易の中心として位置付けられています。

この港は港湾法上で国際拠点港湾や中核国際港湾として指定されており、さらに特定港にも認定されています。駿河湾と富士山を背景にした美しい景観が魅力で、外国の船員たちにも好まれています。清水港は長崎港、神戸港と共に「日本三大美港」としても知られ、クルーズ客船の寄港地としても利用されています。

近年の整備では、観光名所として市民の憩いの場が整えられています。公園やヨットハーバー、大型観光商業施設の建設が進められ、景観に調和した美しい港の実現を目指す「みなと色彩計画」が進行中です。この計画は国土交通省からの評価を受けて、地域活動部門で賞を取得するなどの成果も上げてきました。

また、港周辺には城壁を模した公園も整備されており、観光港としての機能が強化されています。今後は競争が激化する横浜港、名古屋港といった大都市の港との対抗が課題です。このため、清水港はさらなる定期航路の誘致やコンテナターミナルの拡充、24時間荷役体制の整備を進め、利用拡大を図っています。

歴史

清水港の初の記録は663年に遡り、史書『日本書紀』に登場します。戦国時代には武田氏の水軍基地となり、江戸時代には農産物や物資の中継地点として重要な役割を果たしました。明治時代には、開港場として指定され、特に茶の主要な輸出港として栄えました。

1930年代には水上旅客機による運航が始まり、戦後は特定重要港湾に指定されると規模を拡大し、現在に至っています。現代の清水港では、自動車や機械類の輸出、液化天然ガスなどの輸入が盛んで、産業的にも重要な役割を担っています。特に、紅茶の輸入量においては日本一を誇ります。

1980年代以来、清水港は観光復興に力を入れ、ウォーターフロントの再開発が進められてきました。清水魚市場やエスパルスドリームプラザは観光名所として人気を集め、毎年「清水港マグロまつり」などのイベントが開催されています。

清水港のエリアは「みなとオアシスまぐろのまち清水」として登録され、観光資源としても注目されています。近年では、興津川の河口部にミナミハンドウイルカの群れが現れ、観光資源としてのイルカウォッチングも進められています。

定期航路

清水港では、国際的な定期コンテナ航路が運航されており、海外との貿易が活発です。また、駿河湾フェリーや水上バスも利用でき、地域の交通網として重要な役割を果たしています。さらに、清水港から大分港へのRO-RO船の運航も行われており、輸送の利便性が向上しています。

姉妹港湾・友好港湾

清水港は多くの姉妹港湾や友好港湾との提携を通じて国際的な交流も深めています。アメリカ合衆国のサバンナ港やイタリアのトリエステ港との姉妹港提携、さらに中国の青島港との友好港提携が結ばれています。

清水港は、歴史的背景を持つ貿易・観光の拠点として、今後もますます発展が期待されます。

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