清水真理

清水 真理（しみず まり）

清水真理は、日本の人形作家であり、特に球体関節人形の制作を専門としています。彼女は映像制作にも積極的に取り組み、その独特な美学と視点から多くの作品を世に送り出しています。彼女の代表的な作品集には『Miracle～奇跡～』があり、芸術界において一定の地位を築いています。

略歴

清水選手は熊本県天草で生まれました。幼少期からヨーロッパのアンティークドールに強い関心を持っており、その影響が彼女の作品に色濃く反映されています。高校生の時にアンドレイ・タルコフスキーの映画に触れ、映像制作へと進む決意を固めました。その後、多摩美術大学美術学部の芸術学科映像コースを卒業。在学中には人形アニメーションのための人形制作を独学で学びながら、映像作家としての活動も展開していきます。

独立した後、彼女は短編映画制作を行い、ドイツのオーバーハウゼン国際短編映画祭での上映など国際的な評価を得ました。これまでに「月世界旅行」や「空境線にて」などの映像作品を発表し、映像作家としてもその名が知られるようになりました。また、2000年にはバンド“MUCC”のCDジャケットに彼女が制作した人形の写真が使用され、その認知度を高めました。

2001年には「アトリエ果樹園」という人形教室を設立し、ここで教えながら人形制作に励みます。以降も個展、グループ展、イベントで自身の作品を発表し続け、徐々に人形作家としての地位を確立していきました。

例えば、2010年には松岡正剛がプロデュースする書店「松丸本舗」に人形を提供し、店舗のディスプレイの装飾をおこないました。また、2011年からは北イタリアのブレシアで毎年春に開催される親日イベント「Il Giappone nel chiostro」にも参加しています。こうしたイベントは彼女の作品を国際的に広める良い機会となっています。

2013年には、20年間の人形制作の総決算ともいえる記念展を東京のギャラリー新宿座で開催し、過去の作品やエスキース、写真資料を展示しました。ファッションブランド「ペイ・デ・フェ」とのコラボレーションによるワンピースの発表も行い、さまざまなジャンルを跨いだ活躍を見せています。

主な展覧会

清水真理は多くの展覧会に参加しており、特に以下のような個展を開催しました：

• - 2002年12月『クリスマス・ゴシック』（ARTBOXギャラリー、銀座）
• - 2005年11月『Melancholia』（Platform Studio、銀座）
• - 2008年7月『ノスタルジア』（銀座人形館Angel Dolls、銀座）
• - 2013年3月『St.Freaks ～聖なる異形～』（新宿座）
• - 2015年『滅び行くものの美学』（ロスアンジェルス、ハイブラリー）

主な出版物

彼女の作品は書籍としても出版されており、以下のような書籍が存在します：

• - 『Wonder Doll』（ART BOX、2002年）
• - 『Miracle～奇跡～』（アトリエサード、2012年6月）

メディアでの活躍

清水真理の人形は、様々なメディアでも紹介されています。2011年にはNHK BSプレミアムの特集『新日本風土記』で人形の特集が放送され、テレビドラマや雑誌、映画でも彼女の作る人形が使用されています。その独特な魅力により、幅広い層から支持を受けています。

清水真理は、球体関節人形の制作だけでなく、映像制作、そして教育活動を通じて、芸術の可能性を広げているのです。彼女の今後の活動にも大いに期待が寄せられています。

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