清洲藩

清洲藩について

清洲藩（きよすはん）は、愛知県清須市に位置する清洲城を藩庁としていた藩であり、尾張国の歴史において重要な役割を果たしました。この藩は、尾張藩（名古屋藩）の前身であり、時代背景には戦国時代の複雑な権力闘争が影響しています。

清洲藩の成立背景

戦国時代、清洲城は守護代であった織田氏（織田大和守家）の城でしたが、その後、分家出身の織田信長がこの城を奪取して居城としました。信長が岐阜城、次いで安土城へと拠点を移すにつれて、清洲城の重要性は次第に薄れていきました。1582年、信長が本能寺の変で命を落とすと、彼の後継者を決定するために清洲城において清洲会議が開催されました。この会議で、信長の嫡孫である三法師（後の織田秀信）が後継者に選ばれ、清洲城主には信長の次男、織田信雄が任命されました。

信雄とその後の藩主

信雄は小田原征伐後に秀吉から領地移封の命を受けましたが、これを拒否したため改易され、下野に追放されました。清洲城の所領は秀吉の甥である豊臣秀次に与えられましたが、秀次は1595年に謀反の罪を着せられ切腹することになりました。こうした混乱の中、文禄・慶長の役での戦功を持つ福島正則が、移封され清洲城の新たな主となりました。

正則は秀吉の信任を受けた武将であり、戦功により戦後も名声を高めましたが、文治派の石田三成との対立がありました。特に、関ヶ原の戦いでは東軍に属して戦功を挙げ、戦後には家康から安芸広島藩に加増移封されました。

清洲藩の成立とその終焉

その後、関ヶ原の戦いで目立った功績を上げた家康の四男、松平忠吉が清洲藩の藩主となります。しかし、忠吉は急死し、継嗣がいなかったため、異母弟の義利が藩主となりました。義利は新たに名古屋城を築き、藩庁や城下町を清洲から名古屋に移設し、名古屋藩（尾張藩）を成立させました。この移設により清洲城は名古屋城の資材として転用され、最終的には廃城となりました。

清洲藩は、義直を初代として、尾張徳川家に引き継がれ、名古屋藩としての歴史を歩むこととなりました。清洲城の歴史は、尾張藩のみならず、日本の戦国時代から近世への移行においても重要な意義を持っています。歴代藩主には松平（東条）家と徳川（尾張）家が存在し、それぞれ62万石と47万2344石を支配しました。これにより、清洲藩は日本の歴史の中で特異な位置を占めるようになっています。

もう一度検索