清渓高架道路

清渓高架道路について

清渓高架道路（チョンゲこうかどうろ）は、韓国の首都ソウルの忠武路から龍頭洞にかけてかつて存在した高架道路です。この道路は、都市の発展とともに清渓川の覆蓋事業に関連して設計され、韓国初の本格的な高架道路として1967年に着工し、4年後の1971年に完成しました。

清渓川の覆蓋事業

1950年代半ば、清渓川周辺は戦争の影響でスラム化が進行していました。これに対処するために、清渓川の覆蓋事業が始まりました。この取り組みは日本統治時代からの計画を踏襲し、1955年に具体的なプロジェクトとしてスタートしました。1958年から1961年にかけては広橋から清渓6街まで、1965年から1967年には清渓6街から清渓8街まで、さらに1970年から1977年には清渓8街から新踏鉄橋までの区間が覆蓋されました。

この覆蓋により、周囲のアバラ屋は取り除かれ、アパートや商業施設が整備されるという形で、地域の再生が進みました。しかし、これに伴い多くの住民が他の地域に強制移住させられるという課題も存在しました。

清渓高架道路の構造

清渓高架道路は長さ5-6キロメートル、幅16メートルで、忠武路の広橋から龍頭洞に至る通り上に建設されました。この道路は建設当初から交通の流れを分散させることに一定の効果を持ちましたが、周辺地域に多かった洋服や電気部品の問屋には荷物の上げ下ろしを行う車両が溢れ、結果として交通渋滞が慢性的な問題となりました。

老朽化と撤去

2000年代に入ると、清渓高架道路は老朽化が進むことが懸念されるようになりました。2002年には大型車両の進入が禁止され、2003年にはついに全車両の通行が禁止され、道路は閉鎖されました。これに続いて撤去作業が進められ、2005年9月には清渓川の復元が完了しました。

今後、清渓高架道路に関する都市開発の問題は、東京の日本橋における首都高速道路とよく対比されます。日本橋の道路は廃止されず、地下に移設される計画が進行している点が異なる部分です。清渓高架道路の例は、都市の景観と交通のあり方がどのように交差するかを示す重要なケーススタディとなっています。

最後に、清渓高架道路は韓国の都市計画における象徴的な存在であり、今でも多くの人々にその歴史的な背景や経緯が語られています。

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