清滝街道

清滝街道：古代から現代へ続く歴史の道

清滝街道は、大阪府と奈良県を繋ぐ歴史ある街道で、伊勢街道や奈良街道の一部を成す重要なルートでした。その名の通り、大阪府四條畷市の清滝峠を越えることから名付けられ、古くは奈良時代に、行基によって開かれた道（行基道）と伝えられています。

守口街道から始まる旅路

守口市から門真市にかけての区間は、京街道から分岐する「守口街道」と呼ばれています。現在では大阪府道158号守口門真線がほぼその道を辿り、京阪本線沿いを走り、国道163号と合流後、清滝川に沿って清滝街道へと続きます。明治36年刊の『大阪府誌第4編』には、守口宿から四條畷市中野地区まで田圃の中を通り、屈曲が多く低湿地帯もあったと記されています。この区間には、難宗寺や松下電器産業本社など、歴史と現代が交錯する風景が広がります。京阪電鉄の駅、西三荘駅、門真市駅、古川橋駅、大和田駅なども沿線に位置しています。

清滝峠を越えて大和へ

四條畷市役所付近から、清滝街道は守口街道と接続し、東高野街道と交差した後、清滝峠を越えます。峠を越えると、下田原西交差点で国道から離れ、天野川を渡って奈良県生駒市に入ります。北から合流する磐船街道と合流した後は、天野川に沿って南下し、出店付近で天野川を離れます。その後、東生駒川、竜田川に沿って南下し、古堤街道、暗越奈良街道と交差しながら、平群町へと進みます。平群町梨本付近では、馬鍬淵と呼ばれる渓谷地帯を抜け、吉備内親王墓や長屋王墓などの歴史的史跡のそばを通り、斑鳩町へ至ります。

『大阪府誌第4編』には、四條畷市南野から始まり、磐船街道と合流し、山地を通り、坂道が次第に険しくなっていく様子が、老杉に覆われた道幅約1.5mの道として詳細に記述されています。また、明治26年の『奈良県告示第30号』では、乙種仮定県道「清瀧街道」として、平群郡龍田町から河内国境までを繋ぐ道として確認できます。

行基道と清滝街道

四條畷市内の行基道については、長らく国道163号線沿いと推測されていましたが、2008年以降の調査で、下田原地区で道幅約2.4m、両側に溝のある古道が発見されました。江戸時代以降に廃道となったと考えられています。この発見は、清滝街道の歴史を紐解く上で重要な手がかりとなっています。

沿道の歴史と文化

清滝街道沿いには、歴史的な寺院や神社、史跡が多く点在しています。難宗寺や吉備内親王墓、長屋王墓などは、歴史好きには見逃せないスポットです。また、近鉄の駅である東生駒駅、一分駅、南生駒駅、元山上口駅なども沿線にあり、交通の便も良好です。さらに、椿井交差点では十三街道と合流し、斑鳩町竜田大橋付近で国道25号（奈良街道）と合流、歴史と現代が交差する様子を垣間見ることができます。

現代への継承

清滝街道は、単なる古い道ではなく、現在も国道の一部として機能し、人々の生活を支えています。その歴史的価値と現代社会との調和は、今後の街道保全において重要な課題となっています。

参考資料

* 武藤善一郎著「大阪の街道と道標」改訂版 (ISBN 4-88325-203-5)

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