清肺湯

清肺湯（せいはいとう）

清肺湯は、主に慢性的な呼吸器疾患や去痰の目的で使用される漢方薬です。その起源は古く、明代の古典書である「万病回春」に記載されている処方に由来します。この処方では、16種類の生薬を組み合わせて作られるとされています。

清肺湯という名前は、漢方の概念に基づき、咳の原因を肺にこもった熱によるものと捉え、その「肺の熱を冷まして除く」という意味が込められています。

各社の清肺湯

ツムラ清肺湯

ツムラは1986年に「ツムラ清肺湯エキス顆粒(医療用)」を発売しました。医療用として、広く医療機関で使用されています。

清肺湯ダスモック

小林製薬は2013年に広島地区で「清肺湯ダスモック」を限定発売し、翌2014年には日本国内向けに販売を開始しました。この製品は、清肺湯の処方を基本としつつ、喫煙や排気ガスによる咳や痰、さらには慢性閉塞性肺疾患（COPD）への対応も視野に入れた漢方薬として開発されました。

発売後、大気汚染に悩む中国都市部からの観光客に「神薬」の一つとして認知され、人気のお土産品となりました。

構成生薬

原典である「万病回春」には、基本的な生薬13種類に加えて、症状に応じて生薬の追加や除外が指示されています。

ツムラの例

ツムラの清肺湯エキス剤「ツムラ清肺湯」に含まれる原生薬は以下の16種類です。

当帰（トウキ）
麦門冬（バクモンドウ）
茯苓（ブクリョウ）
黄芩（オウゴン）
桔梗（キキョウ）
杏仁（キョウニン）
山梔子（サンシシ）
桑白皮（ソウハクヒ）
陳皮（チンピ）
天門冬（テンモンドウ）
貝母（バイモ）
甘草（カンゾウ）
五味子（ゴミシ）
大棗（タイソウ）
生姜（ショウキョウ）
竹茹（チクジョ）

小林製薬の例

小林製薬のダスモックb（錠剤）に含まれる原生薬も16種類で、分量は異なりますが、種類はツムラと同じです。

黄芩（オウゴン）
桔梗（キキョウ）
桑白皮（ソウハクヒ）
杏仁（キョウニン）
山梔子（サンシシ）
天門冬（テンモンドウ）
貝母（バイモ）
陳皮（チンピ）
大棗（タイソウ）
竹茹（チクジョ）
茯苓（ブクリョウ）
当帰（トウキ）
麦門冬（バクモンドウ）
五味子（ゴミシ）
生姜（ショウキョウ）
甘草（カンゾウ）

関連項目

辛夷清肺湯
荊芥連翹湯

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