済松寺

済松寺（さいしょうじ）は、東京都新宿区榎町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を蔭凉山と称し、三代将軍・徳川家光に仕えた祖心尼（そしんに）ゆかりの寺として広く知られています。

歴史

済松寺の創建は1646年、徳川家光が自ら牛込の大橋龍慶屋敷跡に土地を与え、祖心尼のために寺を建立したことに始まります。寺名は、臨済宗の宗祖である臨済禅師の「済」と、松平家の「松」の字を組み合わせて家光が命名しました。家光は、自身の死後も心が済松寺にあると語るほど深くこの寺を信仰したと言われています。創建当初の済松寺は七堂伽藍を備え、牛込地域でも有数の大寺院として隆盛を誇りました。

しかし、その後の歴史の中で、宝暦年間の火災、明治維新の廃仏毀釈運動、そして第二次世界大戦の空襲など、幾度となく焼失に見舞われました。それでも、その都度復興を遂げ、現在に至っています。済松寺は、その歴史の中で、人々の信仰と復興への強い意志に支えられてきた寺院と言えるでしょう。

施設・史跡

済松寺の境内には、以下のような施設や史跡があります。

本堂: 寺の中心となる建物。
祖心尼の墓: 済松寺の創建に深く関わった祖心尼の墓。
大伍堂（坐禅堂）: 坐禅を行うための道場。
観音堂: 観音菩薩を祀るお堂。
禅の庭: かつて名園とうたわれた済松寺の庭園「普光園」を記念した石碑。普光園は明治維新時に廃園となり、現在は駐車場となっている。
鳳凰池: 庭園内にある池。
茶室: 茶道を行うための建物。

なお、済松寺の境内は一般公開されておらず、拝観には事前の予約が必要です。訪れる際は、必ず事前に連絡するようにしましょう。

アクセス

済松寺へのアクセスは以下の通りです。

所在地: 〒162-0806 東京都新宿区榎町77
電車: 地下鉄東西線神楽坂駅2番出口より徒歩約8分
バス: 都バス白61系統「牛込保健センター前」下車徒歩3分

その他

済松寺は、その歴史と文化的な価値から、多くの人々に注目されています。静かな環境で、歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

参考資料

斎藤長秋 編「巻之四 天権之部 蔭凉山済松寺」『江戸名所図会』 2巻、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1927年、531-533頁。

関連情報

済松寺ホームページ: 寺の公式サイトで、詳細な情報を得ることができます。

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