渋民バイパス

渋民バイパス

渋民バイパスは、岩手県盛岡市渋民地区を通過する国道4号（国道281号重複）のバイパス道路です。このバイパスは、慢性的な交通渋滞の緩和と、沿線住民の生活環境改善を目的として建設されました。

概要

国道4号は、盛岡市渋民地区において、住宅や商店が密集する地域を通過するため、歩道が未整備であったり、幅が狭い箇所が多く存在しました。そのため大型車両の増加に伴い、沿線環境の悪化が懸念されていました。特に、盛岡市役所玉山総合事務所入口（啄木記念館前）のT字路は右折車線がなく、渋滞が慢性化していました。

沿線では、夜間の騒音レベルが現道全区間で環境基準を超過していたほか、追突事故が多発していました。国道4号の岩手県内の平均死傷事故率を越える区間も存在し、バイパス整備による現道区間の環境改善が急務となっていました。

歴史

渋民バイパスは、国土交通省東北地方整備局・岩手河川国道事務所が建設主体となり、1986年度に事業が開始されました。1990年度には用地買収が始まり、1996年度には商業施設などが密集する起点側の2.5km区間で工事が先行着手されました。2004年12月には、この先行区間が暫定開通し、その後、残りの終点側3.1km区間も埋蔵文化財調査などを経て工事が開始されました。

当初、全線開通は2015年3月を予定していました。しかし、2014年12月の調査で終点部（盛岡市玉山区馬場字状川原地区の現道接続箇所）において舗装強化工事が必要となったため、全通は約1ヶ月遅れました。着工から29年の歳月を経て、2015年4月12日14時に全線開通となりました。

効果

岩手河川国道事務所の試算によると、全線開通により旧道の混雑が緩和され、車両の移動時間が約8分短縮されました。これにより、物流効率化による経済効果は年間5億円と見込まれています。また、2016希望郷いわて国体開催時には、選手や役員の移動時間短縮などの効果も期待されました。

バイパスは現在、暫定2車線で供用されていますが、将来的な交通量の増加を見込み、東側にもう2車線を追加し、分離帯付きの片側2車線道路となる予定です。全体事業費は2010年時点で130億円が見込まれています。

渋民地区土地区画整理事業「サンタウン渋民」の造成に合わせて、国道4号現道の渋滞ポイントであった啄木記念館前交差点は道路拡幅と右折車線追加工事が実施されました。この工事の完成は、渋民バイパスの部分開通後となりました。

路線データ

起点：岩手県盛岡市渋民字船田（渋民B.P.南口交差点、岩手県道169号渋民川又線との交点）
終点：岩手県盛岡市玉山馬場字川原（岩手県北バス状小屋バス停付近）
延長：5.6km
規格：第3種1級
道路幅員：暫定13.5m（完成26.0m）
車線数：暫定2車線（完成4車線）
車線幅員：3.5m
設計速度：80km/h

道路施設

道の駅もりおか渋民（盛岡市）（2025年4月26日オープン予定）

その他

渋民バイパスの開通により、国道4号の交通状況は大きく改善され、地域住民の生活環境向上に貢献しています。今後の4車線化による更なる効果が期待されています。

関連項目

日本のバイパス道路一覧
東北地方の道路一覧

外部リンク

国道4号渋民バイパス改築事業

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