渋谷 パルコ・ヒューリックビル

渋谷パルコ・ヒューリックビル：渋谷のランドマークとして進化を遂げる複合施設

渋谷パルコ・ヒューリックビルは、東京都渋谷区宇田川町に位置する、商業、オフィス、劇場を融合させた地上19階建ての複合施設です。1973年の渋谷パルコ開業以来、渋谷の街の文化を象徴してきたパルコが、その歴史と革新性を体現する形で再開発された結果、誕生しました。

再開発による新たな街のシンボル

旧渋谷パルコPart1とPart3の跡地を一体的に再開発することで、都市再生特別地区制度を活用した容積率の増加を実現しました。その結果、従来の商業施設と劇場に加え、オフィス空間を備えた複合ビルが誕生することとなりました。単なる商業施設の枠を超え、オフィスワーカーや劇場来場者、そして買い物客など、多様な人々が集い、交流する活気ある空間が創造されました。

多様な機能と洗練されたデザイン

ビルの地下1階から地上9階、および10階の一部には、渋谷パルコが入居し、約192の店舗が営業しています。多様なブランドやショップが集積し、ファッション、コスメ、食など、幅広いニーズに対応する商業空間を提供しています。7階から9階（エントランスは8階）には、636席を誇るPARCO劇場が設置され、演劇や音楽公演など、多彩な文化イベントの開催拠点となっています。

オフィス部分は12階から18階に位置し、デジタルガレージ（DG）やカカクコムなどの企業が入居しています。特にDGグループは、このオフィス部分を「渋谷パルコ DGビル」と呼んでおり、その存在感は大きいです。最上階である18階には、1000人を収容できるカンファレンスセンター「DRAGON GATE」が設置されており、大規模な講演会やイベント開催が可能です。10階にはオフィスロビーが設けられており、オフィスワーカーにとって快適な環境が提供されています。

若者文化を象徴する建築デザイン

建物の外観デザインは、次世代の文化を担う若者をイメージし、原石が集積したような力強い表現となっています。これは、渋谷パルコがこれまで培ってきた若者文化との繋がりを象徴するものです。また、スペイン坂から続く建物の周囲には、立体的な街路が整備されており、各フロアから店舗にアクセスできるようになっています。この街路は、10階の屋上広場へと繋がり、ビルの内外をシームレスに繋ぐ役割を担っています。

渋谷の街の未来を担うランドマーク

渋谷パルコ・ヒューリックビルは、単なる複合商業施設にとどまらず、渋谷の街の文化・経済活動を支える重要なランドマークとなっています。歴史と革新性を融合させたその姿は、未来へ向かう渋谷の街の象徴として、今後も進化し続けることでしょう。商業、エンターテインメント、そしてオフィスワークが共存するこの建物は、多様な人々にとって魅力的な空間を提供し続けています。このビルの存在は、渋谷という街のダイナミズムを象徴していると言えるでしょう。

参考文献

『新建築』新建築社、2020年1月。

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