スペイン坂

スペイン坂（渋谷）

スペイン坂は、東京都渋谷区宇田川町に位置する、井の頭通りから渋谷パルコへと続く全長約100メートルの緩やかな坂道です。この坂は、渋谷の賑やかな中心部にありながら、独特の雰囲気を持つことで知られています。

坂の北側には階段があり、23段の階段が22度の傾斜で約3.5メートルの高低差を繋いでいます。階段の幅は3.3メートルから3.6メートル、長さは約12メートルです。坂道と階段を合わせた全長は約100メートル弱で、南欧風の街並みが特徴的です。沿道には雑貨店や衣料品店、飲食店などが多数立ち並び、坂の上には映画館（シネマライズ）やゲームセンターもあります。

また、渋谷パルコ part1の1階には、かつてTOKYO FMの「渋谷スペイン坂スタジオ」があり、ラジオ番組の公開放送などが行われていました。このスタジオは、2016年8月7日まで稼働していました。

かつてこの場所には、女神像が置かれており、その像に好きな人の名前を書いたプリクラを貼ると恋愛が成就するという都市伝説がありました。この噂は、特に若者たちの間で広まり、一種の観光スポットとしても賑わっていました。

スペイン坂は、2019年6月20日から施行された渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例により、ハロウィン当日とその直前の週末、年末年始は路上などの公共の場での飲酒が禁止される区域に指定されています。

名称の由来

スペイン坂の名前の由来は、かつてこの地にあった喫茶店「阿羅比花（あらびか）」の店主、内田裕夫氏にあります。内田氏は、スペインの風景写真に魅了され、店の内装をスペイン風に統一していました。1975年、渋谷に店舗を開業したパルコから通りの命名を依頼された際、内田氏は迷うことなく「スペイン坂」という名前を選びました。この命名後、スペイン坂周辺の人々も協力して建物を南欧風に改築し、現在のような街並みが形成されました。

また、かつては「スペイン通り」と呼ばれていたとする文献も存在します。この文献によると、「スペイン通り」という名前がメディアで紹介され始めたのは、1978年に熊谷商店によるビル「パティオ１」と「渋谷スクェア」が開業したのがきっかけとされています。「スペイン通り」の名残は、現在もイタリア料理店「五右衛門 スペイン通り店」に見ることができます。

関連項目

東京都の坂
シネマライズ
* TOKYO FM[[渋谷スペイン坂スタジオ]]

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