渋谷シネフロント

渋谷シネフロント：記憶に残る映画の灯火

渋谷シネフロントは、かつて東京都渋谷区宇田川町のランドマーク、QFRONTビルの7階に存在した映画館です。1999年12月18日に華々しく開館し、2010年1月22日に惜しまれながら閉館するまでの間、多くの映画ファンに愛されました。経営・運営は、当初は東宝直営でしたが、後にTOHOシネマズへと引き継がれました。

宇宙空間をイメージした劇場

シネフロントの最大の特徴は、その内装デザインでした。宇宙空間をモチーフにした劇場は、訪れる人々を非日常的な空間へと誘い、映画鑑賞への期待感を高めました。座席数は245席で、車椅子スペースも完備されており、誰もが快適に映画を楽しめるよう配慮されていました。

都内初の全席指定・完全入替制

シネフロントは、都内では先駆けとなる全席指定・完全入替制を導入しました。これにより、観客は事前に座席を確保でき、上映開始時間に合わせて来場すれば良いという利便性を提供しました。前売券や招待券を利用する際は、1階のチケット売り場で座席指定券と引き換える必要がありました。

上映作品

シネフロントでは、洋画・邦画問わず、幅広いジャンルの作品が上映されました。オープニング上映作品はディズニーアニメの「ターザン」でした。その他、「トイ・ストーリー2」、「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」などの人気作品が上映され、多くの観客を魅了しました。特に、「名探偵コナン」シリーズは、第5作から第13作までが上映され、子供から大人まで幅広い層に支持されました。

閉館間際には、「ウルルの森の物語」が最終上映作品として上映され、多くのファンがその最後の灯火を見届けました。

渋谷宝塚劇場の歴史を継承

シネフロントの地は、かつて渋谷宝塚劇場という映画館がありました。渋谷宝塚劇場は1997年5月30日に閉館し、その跡地にQFRONTビルが建設されました。渋谷宝塚劇場のチェーンは、現在TOHOシネマズ渋谷が引き継いでおり、その歴史は形を変えながらも受け継がれています。

現在

シネフロントの閉館後、その跡地であるQFRONTビル7階にはTSUTAYAがオープンし、コミックフロアとして新たなエンターテイメントの発信地となっています。シネフロントは、短い期間ではありましたが、渋谷の映画文化に大きな足跡を残し、多くの人々の記憶に残る映画館として、その名を刻んでいます。

シネフロントは、映画ファンにとって忘れられない場所であり、その存在は、渋谷の街の記憶の一部として、今もなお輝きを放っています。

[参考資料]

• - 港町キネマ通り: http://www.cinematown.jp/modules/cinema/shibuya/cinefront/index.html

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