渋谷怪談

渋谷怪談

『渋谷怪談』は、2004年に公開された日本のホラー映画。渋谷を舞台に、都市伝説を題材とした作品であり、続編の『渋谷怪談2』と同時公開されました。

ストーリー

女子大生の八島リエカは、友人たちとのキャンプ後から奇妙な幻聴に悩まされるようになります。仲間たちが次々と失踪、変死していく中、リエカはキャンプで使用した渋谷のコインロッカーが、過去のコインロッカーベイビー事件の現場であることを知ります。渋谷には「幸せを呼ぶコインロッカー」という噂がある一方で、「そのロッカーを使った者は呪われる」という噂も存在していました。

呪いを止めるため、リエカは友人の宮野良平と共にコインロッカーへ向かいます。そこから現れた少女の霊「サッちゃん」は、良平をロッカーに引きずり込み、リエカにも襲いかかります。その後、リエカは意識不明の状態で病院に保護されます。半年後、リエカの教え子である綾乃が彼女を見舞い、リエカからコインロッカーの鍵を渡されることで、物語は次作へと続きます。

登場人物

八島リエカ（演：水川あさみ）：帝都大学の学生で、綾乃の家庭教師。怪現象に巻き込まれながらも真相を追う。
宮野良平（演：柏原収史）：リエカの大学の友人。リエカと共に事件の謎を追う。
松川夕菜（演：森下千里）：リエカの友人。試着室で消息を絶ち、後に変死体で発見される。
深見愛（演：鈴木繭菓）：リエカの友人。廃人同様となり、病院で首つり自殺をする。
高原圭太郎（演：弓削智久）：良平の友人。水子地蔵の首を折ったことが原因だと考え、罪悪感に苛まれる。
柳彰彦（演：和田聡宏）：良平の友人。愛の失踪後、廃人同様の状態で変死する。
久保綾乃（演：堀北真希）：リエカの教え子。リエカを唯一頼れる存在として慕う。
掛沢裕一（演：永澤俊矢）：精神科医。保護された愛の担当医。
村松恵（演：原史奈）：看護師で、掛沢の助手。
宇田研二（演：津田寛治）：会社員。廃人同様の愛に遭遇し、コインロッカーへ連れて行かれ死亡する。
サッちゃん（演：左近香澄）：コインロッカーを使った者を呪い殺す少女の霊。コインロッカーベイビーの仮名が由来。

制作

本作は、現代における都市伝説の恐怖を具現化することを目的として製作されました。「だるま」「星を見る少女」「コインロッカー・ベイビー」など、有名な都市伝説が題材として取り入れられています。渋谷が舞台として選ばれたのは、若者の流行や噂話の発信源であり、都市伝説を吸収・膨張させる巨大な舞台装置であると考えられたためです。しかし、実際の撮影では道路使用許可が下りにくく、郊外での撮影が多かったため、渋谷の空気感が希薄であるという指摘もあります。

監督は、当時新鋭であった堀江慶が務め、水川あさみ、堀北真希など、フレッシュな俳優たちの出演が話題となりました。水川あさみにとっては、本作が映画初主演となっています。

スタッフ

監督：堀江慶
脚本：福谷修
原案：柴田一成
* 音楽：Rings

DVDリリース・派生作品

映画公開に先駆け、原作小説『渋谷怪談』が発売されました。小説には、久保綾乃を主人公とした本作以降のエピソードも含まれており、それが続編『渋谷怪談2』として同時公開されました。その後も、『サッちゃん 続・渋谷怪談』など、様々なメディアミックスでシリーズ展開が行われました。

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