減給

減給（げんきゅう）とは

減給とは、懲戒処分の一環として、特定の期間、賃金や俸給を一定の割合で減額する手続きを指します。労働者の生活に直接影響を与える賃金が減少するため、減給の内容や手続きは法令によって厳格に規制されています。時には減俸（げんぽう）と呼ばれることもあります。

企業での実施

民間企業が労働者に対して懲戒処分として減給を実施する場合、事前に就業規則にその詳細と手続きが記載されている必要があります（労働基準法第89条）。さらに、就業規則は労働者に周知されていなければなりません（労働基準法第106条）。この制度は労働者の権利を保護しながら、企業側の規律を保つために設けられています。

減給の具体的な制限について、1回あたりの減額は平均[[賃金]]の1日分の半額を超えてはならず、また総額は賃金支払期における賃金全体の10分の1を超えてはいけません（労働基準法第91条）。これにより、過度な賃金の減少が労働者を不当に不利益にすることを防いでいます。

公務員における減給

公務員に対しても、減給の措施は法律によって定められています。国家公務員法（昭和22年法律第120号）第82条や地方公務員法（昭和25年法律第261号）第29条には、懲戒処分としての減給を示す規定があります。一般に減給は一定の期間を経れば、元の給与月額に戻りますが、降給の場合は基本的に給与月額そのものが減少する取り決めとなります。

国家公務員の減給

国家公務員に関しては、人事院規則（昭和27年人事院規則一二－○）第3条で、「減給は1年以下の期間、俸給の月額の5分の1以下に相当する額を、給与から減ずるものとする」と規定されています。このため、国家公務員は、特に明確な基準に基づいて減給が行われることになります。また、自衛官や国会職員など特別職国家公務員に対しても、同様の減給に関する規定が設けられており、これにより処罰の内容が明確化されています。

地方公務員の減給

地方公務員の場合は、各地方公共団体の条例により、職員の懲戒手続きやその効果について詳細が定められています。これにより、減給の期間や減額の割合の限度が規範化され、各地方での運用が行われます。

まとめ

減給は、労働者や公務員に対する懲戒措置として重要な意味を持っています。法令による厳格な規制が存在するため、労働者の権利も保護されており、適切に運用されれば、企業や公共機関の規律を維持しつつ、労働者の生活の安定にも寄与する制度となっています。法的な背景や具体的な運用方法を知ることは、労働者自身が自身の権利を理解し、守る上でも重要です。

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