渡瀬バイパス

渡瀬バイパス（国道289号）

福島県東白川郡鮫川村に位置する国道289号のバイパスであり、交通の円滑化と安全性の向上を目的とした改良区間です。本稿では、隣接する青生野工区についても詳細に解説します。

概要

起点: 福島県東白川郡鮫川村青生野字大犬平（国道349号上）
終点: 福島県東白川郡鮫川村渡瀬字中野町（福島県道242号赤坂東野塙線交点）
全長: 7,439m
幅員: 6.0（8.0）m

渡瀬バイパスは、渡瀬川の渓谷沿いの現道が抱える問題を解決するために計画されました。現道は道幅が狭く大型車のすれ違いが困難な上、急峻な地形による落石の危険性が高く、累計雨量100㎜を超えると通行止めとなり、広範囲な迂回を余儀なくされていました。このような状況を改善し、中通りと浜通りを結ぶ国道として、より安全で信頼性の高い道路交通を確保することが急務でした。

2010年度に事業化され、2023年3月4日に全線開通しました。

事業は3つの工区に分けて進められました。

第1工区: 村道の改良区間との交差地点から終点まで（全長1,620m）
第2工区: 国道349号分岐から村道改良部まで（全長3,396m）
第3工区: 国道349号重複区間の現道拡幅（全長2,423m）

道路施設

バイパスには、以下の主要な橋梁が含まれます。

山王大橋（渡瀬川）
もみじ橋（渡瀬川）

青生野工区

起点: いわき市田人町旅人字水吞場
終点: 東白川郡鮫川村青生野
全長: 2,720m
* 幅員: 6.5（9.0）m

青生野工区は、渡瀬バイパスの東側に位置し、いわき市境付近から国道349号交点手前までの狭隘な現道を拡幅する事業です。2013年度に事業が開始され、段階的に拡幅供用が進められ、2021年12月21日に完成供用されました。これにより、旧道は同日付で国道指定を解除され、村道に移管されています。

渡瀬バイパスと青生野工区の完成により、地域住民の生活の質の向上と、地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されます。

もう一度検索