渡辺昭五

渡辺 昭五 (渡邊 昭五)

渡辺昭五（わたなべ しょうご、1930年11月12日 - 2014年2月3日）は、日本の著名な文学研究者であり、国文学を専門としました。1977年に國學院大學から文学博士の学位を取得し、大妻女子大学の名誉教授として活躍しました。

略歴

東京に生まれた渡辺は、幼少期に父の関東軍転任に伴い満州に移りました。1943年には新京第一中学校（旧制）に入学し、1945年の敗戦直前にはソビエトとの国境に動員される経験をしました。戦後は日本へ引き揚げ、埼玉県立熊谷中学校に転入し、1949年に卒業。就職しながら大学進学を目指し、1955年に國學院大學の文学部国文学科に入学しました。1959年に卒業後、大学院に進み、1961年には修士課程を修了。続いて博士課程に進学しました。

1963年からは日本大学第三高等学校の教諭として教壇に立ち、1967年には札幌大学の助教授となります。しかし、1971年に札幌大学を辞し東京に戻り、1976年まで非常勤講師として活動しました。1977年には「田植歌謡と儀礼の研究」により學位論文を提出し、文学博士の称号を得ました。その後、講師として再び國學院大學に勤め、1979年から就実女子大学、1989年からは京都精華大学に教授として勤務しました。1995年からは大妻女子大学日本文学科の教授として教える傍ら、2003年に定年退職し名誉教授となりました。2014年2月3日、彼は83歳で亡くなりました。

研究分野と業績

渡辺の研究は主に日本の文学と歌謡、伝承文学に焦点を当てており、彼の業績は多岐にわたります。2011年には瑞宝小綬章を受章し、その貢献度が評価されました。彼は江本裕と共に芸能文化史研究会を、福田晃と共に伝承文学研究会を主宰し、研究の促進に寄与しました。

主な著書

渡辺は多くの著書を執筆しており、以下にその一部を紹介します：

• - 『歌垣の民俗学的研究』(白帝社, 1967年)
• - 『田植歌謡と儀礼の研究』(三弥井書店, 1973年)
• - 『日本人の秘境 原始の情熱と冒険を発見する』(産報, 1973年)
• - 『梁塵秘抄の風俗と文芸』(三弥井書店, 1979年)
• - 『文学と虚構 文学とは歴史とは何か』(岩田書院, 1995年)
• - 『中世史の民衆唱導文芸』(岩田書院, 1995年)
• - 『平家物語太平記の語り手』(みづき書房, 1997年)

共編著

また、彼の共編著としては以下の作品があります：

• - 『伝承文学の視界 歌謡・説話・絵解をめぐる』(福田晃共編, 三弥井書店, 1984年)
• - 『庶民仏教と古典文芸』(江本裕共編, 世界思想社, 1989年)
• - 『芸能文化史辞典 中世篇』(名著出版, 1991年)

渡辺昭五はその学問的業績を通じて、日本文学の理解を深め、後進の教育にも尽力した偉大な研究者でした。彼の多彩な著作は今日なお多くの人々に影響を与え、文化の重要な一端を担っています。

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