渦森台

神戸市東灘区渦森台：六甲山系に広がる住宅地

渦森台は、兵庫県神戸市東灘区に位置する、閑静な住宅街です。1丁目から4丁目まであり、周囲には住吉山手、鴨子ケ原、桜ケ丘町、土山町といった地域と隣接しています。北西側には灘区の高羽地区の山林が広がり、自然豊かな環境に恵まれています。

造成と歴史

渦森台は、1961年から1969年にかけて、標高362.2mの渦ヶ森山から運び出された土砂を利用して造成されました。実に1480万立方メートルもの土砂が、住吉川川底に作られたダンプ専用道路（現在の清流の道）を通って、魚崎浜町の埋め立てに使用された大規模な開発事業でした。

元々は住吉町、西谷山、赤塚山の各一部でしたが、1971年に渦森台1～4丁目として誕生しました。その後、1980年には鴨子ケ原に一部が編入されています。この開発により、新たな住宅地として渦森台が形成され、現在では多くの住民が暮らす地域となっています。

地名の由来

渦森台という地名は、もとの地名である「渦ヶ森」に由来します。渦ヶ森の由来については諸説あり、明確な結論は出ていません。

『神戸ゴルフ倶楽部九十年誌』には、六甲山系の西側の谷と東側の住吉谷からの風が渦巻くことから名付けられたという説が記されています。
一方で、歴史研究家の芝晃氏は、東側の西谷山にある滝壷の渦巻く様子に由来するという説を唱えています。
他にも、秦氏の居住地、渡来人と倭人の融合した氏族「うずわ」に由来する説、神が集まる祭祀遺跡「アツモリ神」に由来する説などがありますが、神戸史学会の『新 神戸の町名』では、これらの説は牽強付会であるとしています。

このように、渦ヶ森、ひいては渦森台の地名については、歴史的背景や地理的条件が複雑に絡み合った結果として生まれたものと考えられます。

施設と生活環境

渦森台には、住民の生活を支える様々な施設が整備されています。

神戸市立渦が森小学校
学校法人茅渟の浦学園 渦が森幼稚園
本住吉神社奥宮
* 渦森展望台公園

これらの施設に加え、住宅地として落ち着いた環境が整っており、子育て世代にも人気のエリアとなっています。六甲山系の自然と都市部の利便性を兼ね備えた、住みやすい街として知られています。

まとめ

渦森台は、大規模な造成事業によって誕生した、歴史と自然が調和した住宅地です。その成り立ちや地名、そして現在の姿を知ることで、この地域のユニークな魅力をより深く理解することができるでしょう。将来も、緑豊かな環境と住みやすさを両立させた、魅力的な街として発展していくことが期待されます。

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