測雲器

測雲器の概要

測雲器（そくうんき、英: nephoscope）は、主に気象観測に用いられる装置で、雲の向きや速度を測定する機能を持ちます。この装置は、気象学の重要なツールの一つとして位置付けられています。

ベッソン型測雲器

測雲器の一つであるベッソン型は、高さ約3メートルの支柱に水平な腕木が設けられ、その軸を中心に腕木が回転します。腕木には、釘歯状の突起が等間隔で取り付けられており、観測者は雲が腕木の中央にある突起ごしに見える位置に目を置きます。その後、腕木を回転させることによって、雲の移動方向に合わせます。

移動が確認できると、雲が一つの釘歯から隣の釘歯まで移動する際にかかる時間を計測し、そのデータを元に雲の移動方向と速度を算出します。この方法により、雲の動きの特性を明確に理解できるようになります。また、雲の高さが事前に分かっている場合は、雲高と観測者の眼の高さとの比率を求め、これを計測した速度に乗じることで、雲の真の高度を得ることが可能です。

雲鏡

別の形式として、雲鏡（うんきょう）と呼ばれる測雲器が存在します。これは、水平な鏡に映し出された雲の動きを観察するための装置です。雲鏡は、中心から放射状に方位線が表示された円形の鏡を使用し、観測者は鏡の高さを一定に設定し、雲がどの方向に動いているかを観察します。これにより、雲の向きを特定できます。

さらに、雲の移動距離と時間を計測することで、雲速を算出します。雲速は、鏡面上の移動距離と雲の高さの積を、眼の高さと時間の積で除算することによって求められます。この測定を正確に行うためには、眼の位置を厳密に設定し、移動距離を高精度で把握する必要があります。そのため、雲鏡にはしばしば望遠鏡が付属しており、観測された雲像を詳細に確認できるようになっています。

さまざまな測雲器

測雲器には、フィネマン雲鏡やスプルング雲鏡、日本式の石丸雲鏡など、さまざまな種類が存在しています。それぞれに特有の構造や測定方法があり、使用する環境や目的によって選択されます。これにより、気象学者は雲の特性を詳細に研究し、天候の予測を行うことができます。

結論

測雲器は、雲の動きや高さを測定するための重要な装置であり、さまざまな形式や方法が存在します。これらの道具を使用することで、気象の理解が深まり、天候予測の精度向上に寄与しています。

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